エステーの2025年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比7.7%増の104億9700万円と増収だったものの、利益面では製造原価高騰や円安の影響、販売管理費が増加し、営業利益が1億3800万円、経常利益が2400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が5000万円と、それぞれ欠損となった。
エアケア(消臭芳香剤)は主力品である定番の「消臭力」シリーズが落ち込む中、「消臭力 Premium Aroma」シリーズが伸長したほか、前期に発売した心地よい空間づくりをサポートする寝室用フレグランス「消臭力 Premium Aroma For Sleep 寝室用」や「消臭力 コンパクト」が貢献。売上高は4.0%増の49億5300万円となった。
ペットケア(猫用トイレ用品)は、「ニャンとも清潔トイレ」事業を譲り受けたことにより全体に占めるペット事業の重要性が増したため、前期ペット事業が含まれていたホームケア(フードケア・クリーナー他)のカテゴリーから独立して表示している。「ニャンとも清潔トイレ」ブランドを活用したペットケア事業の更なる強化に取り組み、売上高は6億円(前年同期の売上高は3700万円)となった。
衣類ケア(防虫剤)は今春の衣替えシーズンが後半にずれ込んだことにより、「ネオパラエース」「ムシューダ 引き出し・衣装ケース用」「ムシューダ クローゼット用」といった既存の主力品が伸長し、売上高は15.7%増の18億800万円となった。
ホームケア(フードケア・クリーナー他)は「米唐番」が堅調に推移したほか、気になる汚れを簡単・きれいに“泡”でふき取り、手軽に使えるスニーカー専用洗剤「洗浄力 水のいらない スニーカークリーナー」が貢献。売上高は1.5%増の11億800万円となった。
湿気ケア(除湿剤)は原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しにより除湿剤の需要が抑えられ、梅雨入りが遅かったこともあり、売上高は2.3%減の9億4900万円となった。
サーモケア(カイロ)は、シーズン終了後の返品が多い期間となるが、返品が見込みより多かった結果、売上高は2900万円のマイナス(前年同期の売上高は1億8800万円)となった。
ハンドケア(手袋)は衛生意識の高まりによる需要が落ち着いたこともあり、海外向けの手袋が落ち込み売上高は2.2%減の11億700万円となった。
25年3月期通期業績は、売上高10.6%増の492億円、営業利益が49.1%増の20億円、経常利益が19.2%増の23億円、親会社株主に帰属する当期純利益が9.8%増の14億円と期初予想を据え置いた。