日本輸入化粧品協会は2025年5月14日、2025年1~3月期の化粧品輸入実績を発表した。歯磨、石鹸等は除く輸入実績は、1104.8億円(前年同期1001.8億円、前年同期比110.3%)となり、前年を上回った。 今期は「香水・オーデコロン類」(前年同期比120.4%)、「カラーメーキャップ類」(前年同期比111.0%)、「ベースメーキャップ・皮膚用化粧品類」(前年同期比110.9%)、「頭髪用化粧品類」(前年同期比109.4%)といずれも前年を上回った。 国別では、首位の韓国は、輸入実績360.4億円(前年同期293.2億円、前年同期比122.9%)と引き続き好調だった。続いてフランスが輸入実績234.7億円(前年同期245.3億円、前年同期比95.7%)となっている。韓国とフランスのシェアはそれぞれ32.6%、21.2%と差が開いた。

2025年4月の全国財務局長会議における経済情勢判断では、一部に弱さが見られるものの緩やかに回復しつつあるとしている。

アイメーキャップ類、ネールズ類が大きく縮小

(1)香水・オーデコロン類

全体で117.2億円(前年同期97.4億円、前年同期比120.4%)と、前年を大きく上回った。この分野ではフランスが62.8%と圧倒的なシェアを占めている。今期も実績は73.7億円(同63.2億円、同116.6%)と伸長した。第2位アメリカ8.6億円(同5.7億円、同151.6%)や第3位イタリア7.5億円(同6.5億円、同114.8%)も伸長している。

(2)カラーメーキャップ化粧品類

全体では、182.4億円(前年同期164.4億円、前年同期比111%)となり、前年を上回った。口紅類は107.5億円(同80.9億円、同132.9%)と大きく伸長したが、アイメーキャップ類は54.9億円(同61.9億円、同88.7%)、ネールズ類は19.9億円(同21.5億円、同92.7%)と、ともに減少した。

国別では首位の韓国87.6億円(同56.0億円、同156.3%)は引き続き伸長し、2位フランス32.3億円(同44.4億円、同72.7%)、3位中国は31.2億円(同36.0億円、同86.8%)と、ともに前年を下回った。4位アメリカは11.8億円(同11.6億円、同101.8%)と漸増。5位イタリアは11.0億円(同7.5億円、同147.6%)と増加した。なお、韓国は全体の約半分(48%)のシェアを占めるに至っている。

詳細に類別に国ごとに見ると、口紅類は、1位の韓国は68.9億円(同35.5億円、同193.9%)と倍増したが、2位フランスは21.5億円(同29.9億円、同71.8%)、3位の中国は5.7億円(同7.4億円、同77.2%)と前年を大きく下回った。

眼の周りのアイメーキャップ類は、首位の韓国は17.8億円(同19.7億円、同90.7%)、2位の中国は14.1億円(同16.5億円、同85.1%)、3位のフランスは7.2億円(同9.7億円、同73.7%)といずれも前年を下回った。上位3カ国で全体の71%のシェアを占めている。

ネールズ類では、1位中国11.5億円(同12.1億円、同95.0%)、2位フランス3.7億円(同4.8億円、同76.2%)、3位アメリカは2.0億円(同1.8億円、同112.4%)となっている。

(3)ベースメーキャップ・皮膚用化粧品類

全体では、490.0億円(前年同期441.8億円、前年同期比110.9%)となり、前年を上回った。国別では韓国が217.3億円(同186.1億円、同116.8%)と引き続き好調で、シェアの44.3%を占めている。次いでフランスは113.4億円(同121.2億円、同93.6%)と漸減(シェアの23.2%)。3位アメリカは47.6億円(同46.8億円、同101.8%)と漸増だった。次いで中国20.6億円(同14.8億円、同138.7%)とイタリア20.5億円(同11.6億円、同176.7%)は大きく伸長した。

(4)頭髪用化粧品類

全体で155.5億円(前年同期142.2億円、前年同期比109.4%)と伸長した。頭髪用化粧品類では、他の美類と異なり他国の実績合計が、87.6億円(同81.9億円、同107.0%)で全体の56.3%を占めているのが特徴。

この分野で代表的なシャンプーとコンディショナー・整髪料の実績で見ると、とりわけタイが、シャンプーでは24.8億円(前年同期23.1億円、前年同期比107.6%、シャンプー全体の54.2%)、コンディショナー・整髪料では45.8億円(前年同期39.1億円、前年同期比116.9%、全体の42.2%)となり、これら2品目の輸入実績が他国を圧倒する状況となっている。その他の国では、アメリカ19.3億円(同13.2億円、同146.6%)、フランス13.4億円(同14.2億円、同94.4%)、中国13.4億円(同13.4億円、同99.8%)と続いている。

なお次回は、2025年8月に2025年の上半期(1~6月)の実績を報告予定。

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