桃谷順天館桃谷総合文化研究所ファウンダービジネス部門は、脳波研究の第一人者である慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科兼大学院医学研究科委員の満倉靖恵教授と、「香料と皮膚への使用感が精神的・認知機能に及ぼす影響調査」についての共同研究を2025年1月より開始、4月より本格始動する。
脳波測定により化粧品が肌以外に与える影響を数値化し、化粧品がもたらす効果の拡大と価値向上、使用者のウェルビーイングに貢献する商品やサービスの開発を目指す。
同社はパーパスである「人と地球の美しい未来を創るFor Beauty and Well-being」のもと、お客が心身ともに満たされた状態で日々を過ごせるような商品やサービスの提供を目指している。医薬品だけでは解決しきれない、精神的分野の充足に関する研究開発も行っており、23年2月には「ウェルネスケアラボ」を立ち上げ、口唇裂の手術痕を目立たなくさせる薬用クリームを産学臨連携で開発するなど、化粧品の可能性を広げてきた。
心と身体と肌のつながりは、近年のビューティートレンドのひとつとも言われている。香りをともなう化粧品は、肌を整えることに加え、心の華やぎや安らぎを感じるという人も多く、同社では調香師によるこだわりの香りで商品を開発している。スキンケアが心や身体に与える影響を数値的に解明し、より良い商品開発に繋げることを目指して、共同研究を開始した。
本研究では、桃谷順天館中央研究所の調香師が処方した香調が体に及ぼす好影響について、慶應義塾大学理工学部の満倉靖恵教授と調査し、香りによる「心地よさ」の数値化を行う。また、人が特定の香りを嗅いだときの脳波を分析し、その時の心の変化や、「継続して使いたい」と感じる心理的効果の評価なども実施し、香りを伴う化粧品の使用が、単に肌を整えるだけのものではなく、心や身体に影響を与えることの立証を目指す。
満倉教授は以下のようにコメントしている。
「“心に優しいスキンケア”を目指し、桃谷順天館様と新しい形のスキンケアに取り組む予定です。親子のスキンシップによってオキシトシン(優しさに関わるホルモン)の上昇が確認されることは知られていますが、決して親子だけでなく優しさは自分自身に対しても重要であり、自分の肌をやさしく撫でるだけでもその効果はあります。疲れ切った毎日の終わりに、スキンケアに加えてほのかな香を加えるだけで1日中受けたストレスをリセットすることも可能です。翌朝疲れを残さないためにもこのリセットを重要視し、次の日が待ち遠しくなる、そんなスキンケアを研究していく予定です」