花王とライオンは浴室とトイレで競争

浴室用洗剤は、シェア2位のライオンが健闘している。同社のシェアを支えているのは「ルックプラス バスタブクレンジング」。浴槽全体に洗剤を吹きかけて60秒後に流すだけで洗える機能は、「こすらず洗える」という利便性が消費者の心をつかみ、18年9月の発売以来、根強い人気が続いている。そして同社は第二弾商品として20年4月に「ルックプラス バスタブクレンジング銀イオンプラス」を、22年4月に「同 香りが残らないタイプ」を発売。浴槽をこすらず洗える機能はそのままに、銀イオンを配合することで「除菌」も「ピンク汚れ予防」もできる機能性が生活者の支持を集めた。

シェアトップの花王は成長を維持。ライオンに対抗する商品として、21年9月8日に発売した「バスマジックリン エアジェット」シリーズは、こすらず30秒で風呂掃除ができるのが最大の特徴だ。そして23年4月29日発売の「バスマジックリン エアジェット 除菌EX」は「ピンク汚れ予防」と「排水口の消臭」の機能を追加。商品の育成は続いており、それがシェア拡大に結び付いている。

トイレ用洗剤では、市場の50%以上を占める花王が引き続き好調で、25%強のライオン、4%強のジョンソンを大きく引き離している。花王の主力商品は、23年10月に発売した「トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック」をはじめとする「トイレマジックリン」シリーズ。花王は「トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック」について、「トイレブラシによるこすり洗いが不要で、便器内を〝泡パック〟するだけで完結する、新しいトイレ掃除を提案する」としている。

しかし、ライオンも負けてはいない。25年4月9日、銀イオンの煙が掃除が行き届かない場所にいきわたり、ニオイ発生の原因となる菌をトイレまるごと除菌するトイレ用くん煙剤「ルックプラス トイレのまるごと除菌消臭くん煙剤」を発売する。1カ月に1回、容器に水を入れてトイレ内に置くだけで、ニオイが生まれにくくなる機能性は、消費者ニーズに沿っている。ルックプラスの「泡ピタ トイレ洗浄スプレー」との併買が進めば、トイレ用洗剤のシェアアップも期待できる。

月刊『国際商業』2025年04月号掲載