期間限定無料公開(2025年3月19日15時まで)

化粧水と乳液はロート製薬が強い

セルフスキンケア市場は、化粧水、乳液、栄養クリーム、美容液、フェイスマスク、日焼け止め、洗顔料、クレンジングの八つのカテゴリーがある。2024年は全カテゴリーが拡大。特に大きく伸びたのは前年比46.2%増のフェイスマスクで、市場規模は化粧水を上回った。シェア上位3社は、毎日使える化粧水とうたうDr.ルルルン、7枚入りの少量展開と成分訴求が強みのクオリティファースト、子会社のコーセーコスメポートが悩み別に商品を展開するコーセーである。フェイスマスクの日常使いは生活者に浸透。成分を訴求した高機能商品の投下も相次ぎ、市場拡大は続きそうだ。

八つのカテゴリーのメーカー別シェアを見ると、ロート製薬と花王の強さが際立っている。ロート製薬は化粧水、乳液、美容液、栄養クリームの4カテゴリーで、花王は洗顔、クレンジング、日焼け止めの3カテゴリーで1位になっている。

化粧水ではロート製薬の「肌ラボ」の「白潤」シリーズがニキビ・肌荒れに悩む10〜20代女性向けにリニューアルを施し、狙い通り若年層の支持を獲得。美容インフルエンサーが取り上げる回数が増え、SNS上での使用者の口コミが増加、若年層を中心に新規ユーザーが順調に増えた。また「メラノCC」も、手頃な価格帯なのに、確かな効果実感が得られる、と人気に陰りが見られなかった。「その時の肌悩みに合わせて『肌ラボ』を使ったり『メラノCC』を使ったり、ロート製薬の化粧水ラインアップの中を回遊する購買行動が増えています」(ロート製薬)。

さらに化粧水と同じブランドを併用することが多い乳液でも、ロート製薬はシェア1位を獲得。シェアは約3割を占め、2位以下を大きく引き離している。人気は「メラノCC」で、化粧水と同様にコスパの高さが支持の根底にある。つまり、ロート製薬の化粧水と乳液は、効果実感で消費者の信頼を勝ち取ったと言えそうだ。

ロート製薬がトップシェアを握る美容液でも「メラノCC」が人気だが、化粧水と乳液と異なるのは、男性ユーザーが増えていることだ。「特にニキビを予防したい10〜20代の男性や、シミを予防したいミドル層などに支持されています。男性のスキンケア意識が高まっており、お客さまの裾野が広がりました」(ロート製薬)。美容液の市場規模は18.5%増でフェイスマスクに次ぐ高い成長率を記録。男性需要の取り込みが下支えしている。男性のスキンケア意識は高まり始めたばかりだから、25年以降も市場拡大は続きそうだ。