日本メナード化粧品は、ファンデーションなどに用いる高機能な粉体を製造する技術について、第25回日本化粧品技術者会(SCCJ)優秀論文審査において「奨励賞」を受賞した。SCCJ優秀論文審査とは、SCCJが編集・発行するSCCJジャーナルに掲載された論文の中から年に一度、優秀な論文を表彰するものである。本賞の授賞式は11月18日から20日に開催されたSCCJ第2回学術大会(兵庫県神戸市、神戸国際会議場)にて執り行われた。

論文題名は「Development of Unique Technology Using Plasmaona Liquid Surface,and Its Application to Novel Cosmetic Materials」。和文題名は「液面プラズマ技術の開発と新規化粧品原料への応用」。筆頭著者(受賞者)は日本メナード化粧品の岡寺 俊彦氏。

微粒子酸化チタンはファンデーションの原料としてよく使用されるが、凝集しやすいため、配合したファンデーションの透明感や伸びのなめらかさを損なう場合が多くあった。同研究では、液面プラズマと呼ばれる放電を利用した分散技術によって微粒子酸化チタンの表面の性質を変化させることで、凝集を防ぐ(均一に分散させる)ことを可能にした。

開発した新規複合粉体

この技術によって、任意の粉体上に微粒子酸化チタンを従来よりも均一に被覆させることができるため、複数の粉体の特長を併せ持つ新しい粉体原料開発の選択肢が広がる。今回、均一に分散した微粒子酸化チタンを、毛穴の凹凸を目立たなくし、透明感のある仕上がりを演出する硫酸バリウムの表面に固着化させることにより、なめらかに伸びる使用感で毛穴の凹凸やくすみをカバーし、肌の自然な明るさを生み出す新規複合粉体を開発することに成功した。

なお、この複合粉体は、「するんとなめらかパウダー」として、メナードのパウダーファンデーションに応用されている。