期間限定無料公開(2024年8月14日12時まで)
マンダムの第14次中期経営計画(MP-14)が動き出した。期間は2025年3月期から28年3月期の4年間。経営目標(24年3月期比)は、連結売上高が8.1%増の1000億円、連結営業利益が45.3%増の90億円。営業利益率は2.8%から9.0%以上へのジャンプアップを狙う。前中計のMP-13は、想定外のコロナ禍に苦しんだが、D2Cブランドの投入など新事業の種まきは多く、さらにジョブ型人事制度「ジョブ×キャリア 自律を起点とした人事の仕組み改革(Mandom HR Transformation、以下MHRX)」を行うなど、経営基盤を刷新する動きは鮮明になっている。その成果の上に立つMP-14は、21年4月にトップに就いた西村健社長が初めて陣頭指揮を執って策定した中計になる。キーワードとして「コ・クリエーション(Co-Creation=共創)」を打ち出し、収益性改善とグループ経営の強化が二本柱。27年に創業100周年を迎えるマンダムは、次の100年に対応できる成長基盤の構築を目指すという。新中計への思いを西村社長に聞いた。

収益性の改善はマンダム初の挑戦

――コロナの影響を受けたMP-13の成果について、どのように捉えていますか。

西村 国内外のビジネスが止まり、売り上げは下落。多くの社員が強い危機感を持ったことで、変革に向けたチャレンジを行う共通認識が芽生えました。その結果として、目先の売り上げにこだわるのではなく、将来を見据えたビジネスを仕掛けやすい条件が整いました。実際、美容業界の第一線で活躍するプロと開発したメンズコスメ「gatsby THE DESIGNER(ギャツビー ザ デザイナー)」を上市したり、メンズオーガニックコスメ「aono(アオノ)」、スパ美容発想から生まれたスキンケア「HOLIDEA(ホリーディア)」などのD2Cブランドを立ち上げました。さらに「ium(イウム)」というブランドを立ち上げ、美容家電に初参入。ECとドン・キホーテで先行発売したのもマンダムにとっては初チャレンジで、上々の実績で推移しています。また、マツキヨココカラ&カンパニーのプライベートブランドとしてメンズスキンケア・ヘアケアブランド「KNOWLEDGE(ナレッジ)」を発売したのも、従来のマス発想から抜け出した価値提案の一つです。前期に発売したギャツビーのボディペーパー、フェイシャルペーパーの流通限定香調はヒット商品になり、25年3月期には取り組み企業が急増。そのほとんどがインストアシェアで上位に位置しています。マンダムはコロナ禍のピンチをチャンスに変えることができたと思います。


MP-13ではアオノやホリーディアといったD2Cブランドを上市した

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