イタリア・ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが1516〜19年まで、イタリア文化を愛する当時の仏国王フランソワ一世の招待を受け入れ、中部ロワール地方にあるクロ・リュセ城で晩年を過ごしたことをご存知だろうか。この城で、今年6月7日から9月15日まで「ダ・ヴィンチとルネサンスの香り」と題した展覧会が開催されている。15世紀建造の城は「ロワール渓谷の古城群」の一つで、他の古城とともにユネスコ世界遺産に認定されている。現在は、当時のダ・ヴィンチの居間やアトリエをはじめ、戦車など彼の発明品のミニチュアを再現して見せるダ・ヴィンチをテーマとした博物館になっている。この時、ダ・ヴィンチが持ち込んだ「モナ・リザ」を含む3枚の油彩とデッサン画などの実物は、現在ルーヴル美術館に所蔵されており、ここにはないが、主要な作品の数々はヴァーチャル・ギャラリーで見ることができる。

ダ・ヴィンチ最後の居城、クロ・リュセ城
©Château du Clos Lucé-Parc Leonardo da Vinci.
Photo Cecil Mathieu (82)

この展覧会で特に注目されるのが、ダ・ヴィンチと香りの関わりを分析し、ルネサンス時代の香りを再現した展示だ。仏トゥール大学のパスカル・ブリオ教授(歴史学)と、伊ナポリ東洋大学のカルロ・ヴェッチェ教授(イタリア文学)が共同コミッショナーを務めたもので、見るだけでなく、ダ・ヴィンチの時代の香りを嗅ぐことができるという体験型の展示となっている。

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