小林製薬は6月28日、紅麴関連製品での健康被害について、その報告・公表のあり方を見直すべきと判断したとして、同社ホームページ上で新たな報告を行った。これにより、これまでの死亡者数5名という報告から、76事例が「死亡との関連性を調査している対象事例数」となった。

同社によると、被害情報のあるロットと被害情報のないロットを対照したところ、被害情報のあるロットにおいてのみ検出される化合物としてプベルル酸と、その他2種類の化合物(化合物Y・Z)が特定された。

これまで同社は、プベルル酸によってもたらされる症状として腎関連疾患と診断されたケースに焦点を当てて調査を行ってきた。しかし、新たな化合物(化合物Y・Z)の特定により、それ以外の症状・疾患まで関連性検証を行う必要があるとして、「これまでの報告の前提を変えるべき状況となっております」と説明。特に、死亡者数については、現時点では具体的かつ確定的に特定することができない状況であるとした。

そこで、死亡が関係する問い合わせ事例数170事例(すでに公表済み5件を除く)から紅麹関連製品を摂取していなかったことが確認された事例数91事例を除き、さらに調査終了している3事例(いずれも医師の診断によれば因果関係はなし)を除いた76事例について、「死亡との関連性を調査している対象事例数」として報告・公表した。

直近では6月26日時点の状況として、(i) 相談件数:約14万3000件、(ii) 医療機関を受診した数:1656名、(iii)入院治療を要した人の数:289名、(iv)死亡者数:5名と報告し、当該報告内容は厚生労働省のウェブサイトにて公表されていた。