フレグランスのサブスクリプションサービスなどを展開する「カラリア」は、5月8~14日、大丸東京店初となる香りのイベント「carré de parfum」に出展した。「カラリア」は2019年のサービス開始以来、データとAIを活用してオンラインで香りとの出会いを図ってきたが、今回はオフラインの場で香水を試せる場所を提供。初めてのポップアップ体験会を行った。
ポップアップでは、「あなたにぴったりな香りがみつかる場所」をテーマに、種類豊富なフレグランスの中から自分にぴったりのフレグランス選びが楽しめる。「カラリア」で取り扱う香水(4ミリリットル)、アトマイザーケースを販売。カラリア専属フレグランススペシャリストによる接客やAI香水診断など、香りとの出会いを楽しめるコンテンツを紹介した。
ポップアップを開催した狙いについて、ハイリンクの南木将宏社長は「これまではオンライン中心だったが、将来はオンラインとオフラインの両方で、香りで世界を彩る事業を展開したい。そのための第一歩としてポップアップにチャレンジした。大手百貨店さまのイベントに参加させていただくことで、カラリアの信頼や価値も向上すると期待している。また、いつもお世話になっているメーカーさまの香水の価値を発信できる場にもなると思う」と話す。
来場者の反応も好評だ。「スタッフの香水についての知識や接客を褒めてくださるツイートをたくさん見かけて安心した。普段店頭を持っていないメーカーさまの香水も扱っているので、『カラリアで試せるんだ』というお声があり、とてもうれしい。その場で購入に至るお客さまもいて、オフラインでもニーズがあることは発見だった」(南木社長)。
カラリアの今後の展望について、南木社長は次のように語る。「香水のデータの量、質がともに高くなっている。これまではオンラインで香りの出会いの最適化を図ってきたが、今後はメーカーさまの店頭なども視野に、データ・サービスの提供を行いたい。さらに今年から『香りの定期便』の年間プランを開始したので、ルームフレグランスやお香、入浴剤など、香水以外のラインアップを拡充する。社内の開発メンバーやデータ分析メンバーを増員し、診断機能や検索機能も向上させていく。レコメンドの精度だけでなく、お客さまに刺さるためには、香りという目に見えないものを二次元の画面で魅力的に伝えなくてはいけない。その体験を含めてアップデートしていきたい」。
初めてのポップアップイベントが好評を博した「カラリア」。今後も香りの総合プラットフォームを目指し、ますます進化していきそうだ。
月刊『国際商業』2024年07月号掲載