ホーユーは8月23日、白髪を黒髪に戻す改善・予防メカニズムと、そのカギとなる聖なるハーブ「ヤーバサンタ」の可能性に関し、発表会を開催した。

会の冒頭、ホーユー総合研究所の尾関宏之所長は、「本日発表する白髪に関する新知見がお客さまにとって、白髪との付き合い方にとどまらず、新しい白髪ケアの習慣につながることを期待している。今後もホーユーの思いである、髪の色を通してお客さまの心豊かな生活に貢献できるよう研究開発を行っていく」と語った。

今回の研究成果である白髪改善・予防研究は、当時社長であった故・水野新平氏が白髪染めの技術がいつまで続くかわからないから、これに代わる白髪にアプローチする新しい技術に関してリーディングカンパニーであるホーユーが進めてきていくべきとの考えから2006年に着手した。まず、髪色を決めるメラニン産生効果が期待できる成分のスクリーニングを、約3000種の天然由来成分にて実施。その過程で、フラボノイドの一種であるステルビンという成分が白髪改善効果に貢献する可能性を発見した。

このステルビンを含む植物を探索する中で、約10種に分類されるヤーバサンタの中でも、特にステルビンが多く含まれている種が標高1500~1650メートルの乾燥した高地で生育しているエリオジクチオン・アングスチフォリウム種であるということを確認。その研究を深耕した結果、ヤーバサンタに含まれるステルビンは、「色素細胞」と「色素幹細胞」の双方を活性化することを確認し、白髪を黒髪に戻す白髪改善だけでなく、予防も期待できることが明らかになった。また、メラニン産生に必要なシグナル伝達を活性化させることも確認した。

ホーユーでは、今回の研究成果を今後投入する製品に採用し、新たな価値を提案していく考えだ。

月刊『国際商業』2023年10月号掲載