2024年3⽉7⽇、ベルサール汐留にて⽇本経済新聞社イベント・企画ユニット主催、MTG協賛で⽇経ビジネスイノベーションフォーラム「⽝の⽪膚にも“スキンケア発想”を」が実施された。

MTGは、アジア獣医⽪膚科専⾨医である伊從慶太⽒監修のもと、⽝アトピー性⽪膚炎に対する最新エビデンスとしてファインバブルを使った洗浄の有⽤性を確認しており、この知見については、第26回⽇本獣医⽪膚科学会学術⼤会にて発表されている。【「⽝アトピー性⽪膚炎に対するウルトラファインバブルの効果検証」(2023年3⽉12⽇)】
さらに、同エビデンス内容は獣医⽪膚科学の国際学術誌『VeterinaryDermatology』での論⽂掲載が決定している。

これに伴い、エビデンスの内容と⽝の⽪膚に対するスキンケアとしてのファインバブル活⽤の可能性を⽰す場として、同イベントを開催。セミナーでは⽇本獣医⽪膚科学会認定医/⽇本コスメティック協会認定指導員の江⾓真梨⼦⽒、アジア獣医⽪膚科専⾨医/アジア獣医⽪膚科学会会⻑の伊從慶太⽒が⽝アトピー性⽪膚炎に対する最新エビデンスとしてファインバブルの有⽤性に関する基調講演を⾏ったほか、東京⼥⼦医科⼤学 名誉教授/東京薬科⼤学 客員教授/医療法⼈社団ウェルエイジング 名誉院⻑の川島眞⽒を交え、「⽝とヒトの“スキンケア”最新事例」におけるパネルディスカッションを実施した。

犬の動物病院への来院理由の2割以上が皮膚疾患で、中でもアトピー性皮膚炎の割合は高いという。江角氏はそのケアの一つとして、適切なスキンケアが重要であるとして、現在徐々にその領域が従来の洗浄だけでなく、保湿やシャワー装置、クレンジングなどに拡大していることを明らかにした。

また、伊從氏は「ファインバブル」で⽝アトピーの重症度が低下するという最新エビデンスを発表。

現状の課題として、アトピー症状と診断される⽝が増加傾向にあることに加えて「肌の衛⽣状況を保つために重要視されていた抗菌薬⼊りシャンプーでは、肌のバリア機能を損傷・耐性菌を⽣じさせる可能性がある」と、従来の対処法のデメリットを提示。そうした中、2023年3⽉に伊從⽒が⾏った実証試験では、アトピー性⽪膚炎の症状を認めた⽝17例に対して、低刺激シャンプーによる洗浄群とファインバブルシャワーによる洗浄群に分けて実施。症状改善の程度を⽐較検証した結果、「ファインバブル発⽣機能を搭載したシャワーを⽤いた洗浄では痒みや肌荒れを抑えながら、⽪膚のバリア機能を壊すことなくアトピー性⽪膚炎の症状を改善した」ことが明らかになった。

「ファインバブル」とは、⽇本発祥の技術で、ナノサイズの気泡「ウルトラファインバブル」とマイクロサイズの気泡「マイクロバブル」を総称した固有名詞。単に⼩さいだけではなく、⾝近な⽣活の中で⾒られる泡(ミリバブル)とは異なる様々な特徴を持っている。この技術の活用で、ヒトだけでなく、犬の健康的な生活にも新たな可能性が示唆された。

基調講演終了後は、川島⽒、伊從⽒、江⾓⽒の三人で⽝とヒトにおける“スキンケア”の重要性や、ファインバブルの有⽤性について議論するパネルディスカッションを実施。

川島⽒は、アトピー性⽪膚炎が起こる要因や治療法などで犬とヒトの類似点を示しながら、過去の人間での事例を紹介し、「洗浄が⼤切であることは間違いないが、過剰な洗浄は炎症を悪化させることになる」とコメント。こうした状況を踏まえ、パネリストたちはファインバブルの活用について、前向きな意見を示した。

月刊『国際商業』2024年05月号掲載