メルカリとアイスタイルは、共同で実施した「化粧品・コスメの二次流通市場に関する共同調査」の結果発表会を10月14日に開催した。

メルカリの野辺一也メルカリジャパンCBO兼CMOは、コネクト戦略の概略とメルカリ・アイスタイルの取り組みについて説明。データの連携も含め、一次流通と二次流通が連携することでより市場を活性化する取り組みにつながるとの考えのもと、昨年2月に提携したことを明かした。

メルカリでは、コスメ・美容関連の需要が急速に伸びている。化粧品・美容関連カテゴリーの購入数は2020年には14年比で12・4倍、金額では同24.7倍と、「他のカテゴリーに比べて大きな成長率になっている」(野辺CBO兼CMO)。

また、お試し買いでメルカリをはじめとしたフリマを使っているお客が多いことも判明。二次流通で商品を買うとそもそも店頭であるメーカーの商品の代替となって売れなくなるという懸念もあるが、野辺CBO兼CMOは、「メルカリが単純に代替の場になるというよりも新しいお客さまが商品を使うきっかけになっているのではないかということに着目して、さまざまな取り組みを行っている。またコロナの影響で店頭に足を運びにくい状況になっている中で商品をお試しいただくことがリアルで難しくなってきたときに、フリマがお試しの環境になってきているという捉え方もできる」と二次流通の可能性について語った。

その後、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授が登壇し、「化粧品/コスメの二次流通市場に関する共同調査」の結果について説明した。直近6カ月以内に、国内における化粧品・コスメの購入経験者は全体で10.0%に上り、二次流通市場にける一人当たりの購入金額からマクロ経済推計モデルを使用し、全国でどれくらいの市場規模があるか推計したところ、年間約1555億円の規模に達していると推定された。これは化粧品市場全体で約10%を占めるまでに拡大していることを意味する。

また、直近6カ月で1回以上トライアル消費した人の比率は40.1%となっており、金額も275億円に上る。二次流通市場でトライアル消費が進んでいることが推測される結果となった。トライアル消費の理由では、「店頭や通販サイトなどで新品で買って失敗したくなかったため」、「通販で買うことが多く、購入前に試したかったため」、「新型コロナの影響で化粧品・コスメを通販で買うようになり、店頭で試せなくなったため」といった理由が挙げられた。「トライアルという面ではウィズコロナ時代で二次流通の重要性がさらに高まってくると考えている」(山口准教授)

二次流通市場の一次流通市場への影響に関する分析では、二次流通市場を利用したことで、新品で購入するなどの補完効果と、満足して新品を買わなくなる代替効果が発生するが、それを相殺した結果年間205億円プラスの影響があったことを示し、化粧品市場にポジティブな影響になる可能性を示唆した。

二次流通利用者のペルソナ分析では、二次流通購入者および二次流通非購入者を対象に、化粧品/コスメに関する消費意識を調査。両者の消費意識差TOP3は、1位「新しい商品はできるだけ試す」(28.3%差)、2位「普段から化粧品/コスメの情報を収集する」(25.9%差)、3位「高価な化粧品/コスメをよく買う」(24.2%差)となり、化粧品/コスメが好きかつ購入に慎重な人が多いことがうかがえる結果となった。

また、直近6カ月間における、化粧品/コスメの平均購入金額を調査したところ、二次流通市場を活用し化粧品/コスメのトライアル消費を行っている「トライアル消費実施者」の一次流通市場での平均購入金額は2万4206円、二次流通市場での平均購入金額は1万2906円となり、合計3万7112円であることが判明。「二次流通購入者」では、一次流通市場での平均購入金額が1万8882円、二次流通での平均購入金額が9497円となり、合計2万8379円。二次流通市場を活用していない「二次流通非購入者」では、一次流通市場での平均購入金額が9207円となった。一次流通市場だけでの平均購入金額を比較すると、「トライアル消費者」が最も高く、「二次流通非購入者」の約2.6倍になることが明らかになった。二次流通市場利用者には化粧品への支出を抑えたい人が多いと思われがちだが、「実はお金のない人が二次流通を利用しているのではなく、かなり化粧品/コスメが好きで、いろいろなものを試したいと考えている人が利用しているという実態が見えてくる」(山口准教授)

会の後半では、アイスタイルデータ戦略推進室の勝並明子室長がモデレーターとなり、アイスタイルの吉松徹郎社長兼CEO、野辺メルカリジャパンCBO兼CMOとともにパネルディスカッションを実施。「価格にかかわらず化粧品を買う前に試したい」「9割が事前にテスターやサンプルを試せなかったために購入を躊躇した」「肌につけるものだから心配」といった生活者のコメントが紹介された。

調査概要は以下の通り。

〈本調査における化粧品/コスメの定義〉
本調査では、フリマアプリ「メルカリ」上の商品カテゴリーである「ベースメイク」「メイクアップ」「スキンケア/基礎化粧品」「ネイルケア」「香水」「ヘアケア」「ボディケア」の計7カテゴリーを化粧品/コスメと定義。詳細については、以下を参照。

​​■ベースメイク
ファンデーション、化粧下地、コンシーラー、フェイスパウダーなど

■メイクアップ
口紅、リップクリーム、アイライナー、つけまつげなど

■スキンケア/基礎化粧品
化粧水、乳液、洗顔料、パック、シェービングフォームなど

■ネイルケア
ネイルカラー、ネイルアート用品、付け爪、除光液など

■香水
香水、オーデコロン、ボディミストなど

■ヘアケア
シャンプー、トリートメント、スタイリング剤、カラーリング剤など

■ボディケア
ハンドクリーム、日焼け止め、制汗・デオドラント、入浴剤など

〈調査概要〉
【事前調査】
・調査時期:2021年9月
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:全国、15~69歳、男女2万人
・留意事項:15~69歳性年代別人口比割付※

※:令和3年8月20日総務省統計「人口推計」(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202108.pdf)を参照

【本調査】
・調査時期:2021年9月
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:全国、15~69歳、男女2000人
・留意事項:直近6カ月間、二次流通市場で化粧品/コスメの購入経験がある男女1500人
・二次流通市場で化粧品/コスメの購入経験はないが、新品での購入経験のある男女500人

月刊『国際商業』2021年12月号掲載