小林製薬の2023年12月期決算は、売上高が前年比4.3%増1734億5500万円、営業利益が同3.3%減の257億8000万円、経常利益は同3.4%減の273億3000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同1.6%増の203億3800万円だった。

セグメント別にみると、国内事業は、売上高が同4.5%増の1365億3900万円、セグメント利益は同3.6%減の220億3000万円だった。芳香・消臭剤「消臭元SAVON」や、繰り返すめまいに効く漢方薬「メイマック」など春に13品目、声が出にくい“声がれ”を、声帯の炎症を鎮めながら改善する漢方薬「コエキュア」、鼻をひたして水流で毛穴汚れを洗う、優しいデイリーケア製品「ケアナボンひたし洗い液」など秋に17品目の新製品を発売し、売り上げに貢献。インバウンド需要増も、売り上げを押し上げた。一方で、通販は売上に大きく貢献する新製品を発売できず低迷した。

また、原材料高騰を受け、製品の安定供給のために戦略的に値上げを実施し利益を確保した一方で、人材・研究開発・広告宣伝への積極的な投資を進めたため、減益で着地した。

国際事業は、いずれの地域でも前年を上回る売り上げとなり、売上高6.2%増の441億3300万円、セグメント利益は0.5%減の32億1800万円となった。

米国は、暖冬でカイロが苦戦したが、サプリメント・一般医薬品を販売しているFocus社を2023年10月に買収し、それによる売上貢献があった。さらに、2022年にOTC医薬品メーカーAlva社で発生した一部製品の欠品が解消したことによる売上増に加え、為替変動の影響による売上の増加も寄与し、増収となった。

中国は、米国同様に暖冬の影響でカイロが苦戦したが、前年のロックダウンの反動もあり増収。東南アジアでは、新型コロナウイルスの他、インフルエンザやデング熱など、各種感染症の罹患者が増加し、発熱対策として「熱さまシート」の需要が高まった。これらに加え、円安による為替変動の影響による売上の増加も寄与し、増収となった。

24年通期業績は、売上高7.0%増の1856億円、営業利益が2.0%増の263億円、経常利益が0.6%増の275億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.8%増の205億円となる見通しだ。