大幸薬品の2023年12月期第3四半期業績は、売上高は前年同期比30.3%増の44億1700万円。医薬品事業の増収が寄与した。利益面では、営業利益は4億4400万円、経常利益5億8900万円、親会社株主に帰属する当期純利益5億6200万円、それぞれ欠損となった。販管費における継続的な構造改革による固定費削減やコスト削減施策の実行などにより赤字幅は縮小した。
事業別業績は、医薬品事業は、国内において「ラッパのマークの正露丸」シリーズの液体カプセルタイプ「正露丸クイックC」のリニューアルを7月に行うとともに、SNSでのコミュニケーションを展開し若年層への訴求を強化したことなどが奏功し、国内向けの医薬品売上高は29.1%増の24億5900万円。海外向けに関しては、国内市場との生産調整によって遅れていた供給を一部再開できたことや、香港・中国向けの出荷価格見直しにより約20%の値上げを実施したこと等から、144.5%増の12億2900万円となった。これらの結果、医薬品事業全体の売上高は53.2%増の36億8800万円。セグメント利益は、主に増収影響やコスト削減等により、9億9700万円増加し9億5500万円と黒字転換した。
感染管理事業は、市場需要は引き続き低水準で推移しており、売上高は25.8%減の7億2400万円、セグメント利益は6億4300万円の欠損。棚卸資産評価損の減少や各種費用の抑制により赤字額は11億5600万円縮小した。
23年12月期通期業績は、売上高で15億円、営業利益で13億3200万円、経常利益で10億6000万円、親会社株主に帰属する当期純利益で10億円、それぞれ下方修正。売上高27.0%増の64億円と増収を見込むものの、利益は営業利益は8億円、経常利益は10億円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億5000万円と各段階で欠損となる見通し。