バラエティストアの雄、PLAZAに復活のチャンスが巡ってきた。J.フロントリテイリング(JFR)は2023年9月27日、49%を保有するスタイリングライフ・ホールディングス(SLHD)の全株式をSLHDが実施する自己株式取得により譲渡すると発表した。JFRは小売りチャネルの多様化を目指し、11年にSLHD株を取得。基幹事業との相乗効果を図ってきたが、21年に子会社パルコの関連会社で化粧品に特化したバラエティストアのローズマリーなどを展開するヌーヴ・エイの株式をファンドに売却。今回のPLAZAを傘下に置くSLHD株を手放すことで、バラエティチャネルから完全撤退することになる。

SLHDの基幹事業はPLAZA。親会社であるTBSホールディングスの23年3月期決算資料を見ると、SLHDの売上高664億1500万円のうち、PLAZAを中心とする雑貨小売販売事業は366億5000万円と、グループ売上高の実に55.2%を占めている。PLAZAは、好立地と個性的な店頭MDを武器に競合を圧倒する集客力を誇ってきたが、人の流れが止まったコロナの影響を強く受けた。JFRの株式譲渡でSLHDは自社株を49%保有。TBSホールディングスが51%を持つとはいえ、グループとしての円滑な戦略遂行が可能になる。これでPLAZAの競争力は高まるのだろうか。

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