消費の主役は柔軟剤第一世代の若年層

日本の生活者が香りを楽しむようになってきた。例えば、世界的に見て市場規模が小さく、香水砂漠と揶揄されてきたフレグランス市場は、富士経済のデータによると、2022年は前年比8.0%増の444億円、23年は同8.6%増の482億円が見込まれている。その中でも、一般的に香水といわれるオードパルファム・オードトワレ市場は22年314億円(同11.3%増)、23年344億円(見込み・同9.6%増)と高い伸長率になっている。

香り市場の活況には、大きく二つの理由がある。一つ目は香りを受容する若年層が増えていることだ。2000年代後半に強い香りの柔軟剤が登場し、その後も香りは柔軟剤の重要な付加価値として定着した。今のZ世代は幼少期から強い香りを使う「柔軟剤第一世代」。物心つく前から香りに親しんできたZ世代が消費の主役になり、香りの需要拡大を後押ししている。高砂香料工業フレグランス・アロマイングリディエンツ事業本部フレグランスマーケティグ・CIMR部の千田明副部長は次のように分析する。「今の若年層は、日用品にいろんな香りがついていることが当たり前の世代です。日常で触れる香りの間口が広がったことで、香りがだんだんと身近になってきているのだと思います」と分析する。

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