ピカソ美化学研究所は、今年2月に兵庫・西宮から大阪・新大阪に本社を移転。そのお披露目とともに11月に迎える88周年感謝の会を9月1日に、新社屋において開催した。

業容拡大に伴う従業員数増加、特に研究員が東西併せて100名を超える研究開発体制となっており、社屋が手狭になったため、移転を決定。国内外からのアクセスも良く、人材採用にも有利なエリアとして新大阪への設置に至った。

新社屋は5階層から成り、延べ床面積は3631平方メートル。前本社と比較すると1フロア当たり換算で約2倍の床面積となり作業性が高まっている。もともと結婚式場だった建屋は、各階の天井が高く、開放的で広い空間が確保され、太陽光が差し込む明るいつくりだ。

1階エントランスの外装にはイギリスから取り寄せたレンガを装飾。前本社にも同様の装飾をしていたが、その外観からはピカソ美化学研究所のモノづくりのこだわりを伺うことができる。

2階はメイクアップ研究所、3階はスキンケア・ヘアケア研究所となっており、見学可能な魅せる研究所となっている。「メイクとスキンケアそれぞれの研究棟の移動に若干時間がかかったが、同じ建物内に入ったため、情報交換やコミュニケーションが以前よりも頻繁にできるようになった」(ピカソ美化学研究所)

4階は社員食堂で、社員のモチベーションアップの一助となるよう、安さとおいしさを両立。外部に運営を委託し、毎週、コスト、メニュー、調理内容について料理長と協議するといったこだわりだ。また、調理過程での廃棄物を最小限に抑えるための知恵も絞っているという。

5階は社長室と営業部、管理本部が入る。もともとチャペルがあったフロアで、高い天井を活かした開放感のある事務所になっている。

会の冒頭、あいさつに立ったピカソ美化学研究所の八木伸夫社長は、以下のように述べた。

「JR西駅近くの前本社所在地は、1953年から70年間、本店所在地としてございました。1992年、駅前再開発に伴い、工場と合わせて、実質的な本社研究所機能を一時的に西宮浜の現在の工場の場所に移しましたが、10年後の2002年に社業発展とともに、本社中央研究所をJR西宮駅前の本店地に戻しました。その後、20年間、西宮駅前の本社ビルで、研究開発、技術営業を拡張、充実させて、ODMのピカソとして成長することができました。20年前は、広々としたビルも、東西で100名以上の研究員体制となり、手狭になったことと、これからの将来を考えた時、優秀な人材の確保、そして東京のお客さまや海外のお客さまのためにも、新大阪への移転を計画し、この度実現することができました。この建物はもともと結婚式場でありまして、研究開発も営業部門も広く、共に、働く仲間の顔が見渡せる開放感と一体感を生み出してくれています。さらなるODM研究所としての充実を図り、売れる化粧品をもっともっとタイミングよくお客さまにご提案し、ご信頼をいただき、技術と提案ODMのピカソのブランド力を高めてまいります」

月刊『国際商業』2023年11月号掲載