中野製薬は、美容師の地位向上と業界発展を目的としたイベント「BEAUTY IS ART 2023」を6月27日に東京・お台場のTFTホールにおいて開催した。リアルおよびオンラインのハイブリッドで開催し、リアル350名、オンライン210名の計560名がイベントに参加した。
今回で2回目となる同イベントでは、〝もっと上へ さらに前へ〟をキーワードに「美容師×デジタル」の今後の可能性を伝えるSNSマネジメントセミナーと、若手美容師から注目される気鋭の4サロンのスタイリストによるヘアショーの二部で構成。
冒頭あいさつに立った中野孝哉社長は、以下のようにメッセージを送った。
「皆さまも感じていらっしゃると思いますが、世の中が変革の時期に来ている印象を受けています。美容業界も例外ではなく、新たな時代に向かって進化、変革を求められるターニングポイントに立っていると感じています。そうした先行き不透明な時代の中で美容師の皆さまが希望や喜び、わくわくするような未来への期待を感じてもらいながら輝いていただける、持続可能な美容業界の実現に寄与する一つの形として、美容師さまに必要なスキル、知性、感性などを、イベントを通じて磨いていただきたいと考えています。そのために〝美容師の皆さまの可能性を最大化させる〟ということを最大のテーマにプログラムを組みました。美容師の皆さまにとって有意義な時間となること、美容業界の発展につながることを期待しています」
SNSマネジメントセミナーでは、コムニコの後藤真理恵マネージャーがマーケティングの視点からSNSの活用方法とケアすべき点などを伝えた。
また、渋谷のヘアサロンADITIONの若手スタイリストのいさな氏が、美容師がSNSを活用する上での注意点を実例を交えて紹介。「SNSはあくまでもツール。目の前のお客さまを美容の力で幸せにするための技術研鑽に努めることが大前提。それができたうえでSNSを活用するという順番が逆になってしまっては本末転倒」と指摘し、SNSでの発信にこだわるあまり、美容師に求められる一人一人のお客に寄り添った美の提案がおろそかになることへの注意を促した。
ヘアショーでは、「ART・つなぐ」をテーマに、GAME、QUQU、ZELE、THE SLICKの4サロンが刺激的なステージを展開した。
「BEAUTY IS ART」は、サステイナブルな業界貢献に向けた取り組みの一つとして、イベントを通じた美容師という職業の社会価値向上を目指すもの。21年の初開催時は、コロナ下で制約がある中でも多くのサロン従事者が参加。美容にも通じるリアルの良さ、大切さを改めて実感する機会となり、同イベントに対する期待値が高まっている。今回も、美容師の感性に訴えかけるイベントとして会場は熱気に包まれていた。
月刊『国際商業』2023年09月号掲載