桃谷順天館は、口唇口蓋裂当事者に向けて、口唇裂の手術痕を目立たなくするメイクセミナーを日本矯正歯科研究所附属デンタルクリニックと共同で実施。その知見を元に、昭和大学口唇口蓋裂センター協力のもと、「ウンドカバークリーム」(4色・5500円)を開発した。「人の悩みを解決したい」という創業者・桃谷政次郎の信念を受け継いだ事業であることから、創業記念日の6月10日から「ウェルネスケアラボ」サイトで発売している。

日本では、口唇裂・口蓋裂は約500人に1人が発症すると言われている。口唇裂は生後3か月から6か月頃に初回手術が行われることが多く、この手術を行うことで哺乳障害などを軽減できるが、口唇にはある程度の傷が残ってしまう。その後、成人までに修正手術が2、3回行われることがあり、患者によっては手術痕を気にして、マスクを手放せない場合もあると言われている。

そこで、桃谷順天館は2019年から日本矯正歯科研究所附属デンタルクリニックとの共同研究で、口唇裂をもつ患者や保護者に向けた「ウンドケアメイクセミナー」を継続して開催してきた。そこで得られた知見から、「子どもや男性でも簡単で、学校などでも人目を気にせず口唇裂の手術痕をカバーし目立たなくできるアイテム」を目指し、昭和大学口唇口蓋裂センター(昭和大学藤が丘病院)の協力のもと、患者に自宅で連用してもらえるモニタリングを実施し、開発を行った。

口唇裂は、生まれてから成人までの長期治療となる。「ウンドカバークリーム」で気になる口唇裂の手術痕を手軽に目立たなくし、精神的ケアも行うことでウェルネスをサポート。QOL向上にも貢献できると考えている。

「ウェルネスケアラボ」は、日常生活をはじめ療養中などを含めたさまざまな環境において、精神的分野の充足に関する商品やサービスを開発し、それらを紹介するプラットフォームとして2023年2月27日にオープンした。化粧品の新たな可能性を産学臨連携で追究し、課題と向き合っている方々や、その方々を支えられている方々が、少しでも心地よくウェルビーイングな状態で過ごせるような活動を行っている。