全国化粧品小売協同組合(全粧協)の構造改革が遅々として進まない。全粧協は全国の化粧品専門店が加盟する協同組合だ。2021年度(第22期)はコロナで事業収入が激減し、都道府県粧協の財政が弱体化。決算期変更に伴い22年は第23期と第24期(10〜12月)となったが、引き続き財政難から脱却できなかった。23年1月にスタートした第25期の組合店舗数は300店以上減の3928店。4000店の大台を割り込み、スケールメリットは一段と低下。全粧協の津村昌秀理事長は「(通常の)運営費は年4500万円が必要。そのうち90%以上を資生堂に頼っている。(改革しなければ)全粧協の解散も視野に入る」と強い危機感を示した。
だが、理事長がいくら改革の必要性は説いても、組織の動きは緩慢と言わざるを得ない。例えば、組合員数減少の原因について、プライベートブランド「KIRYO」廃止によるものなのか、後継者不足による廃業なのか「定かではない」(津村理事長)と発言。原因を掌握せずに、対策を練ってきたのならば成果が出るはずがない。組合脱退理由の調査は「コロナ下ではできなかった」(山田眞司専務理事)というが、減少はコロナ前から始まっていた。「都道府県粧協からヒアリングし、23年10月には把握する」(津村理事長)としているが、現状への甘い認識と遅れ遅れの改革は機会ロスの積み重ねとなっている。
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