コロナ下に一世風靡したD2C(Direct to Consumer)ブランドが勢いを失っている。外出機会の減少、化粧品EC台頭などの環境変化が後押しとなり、D2Cブランドは雨後の筍のように生まれた。しかし、日本人の生活が秩序を取り戻すと、ECだけでは事業成長がおぼつかなくなり、百貨店、化粧品専門店、ドラッグストアなどのリアルチャネルへの進出を模索。2023年2月14日に開かれたアイスタイルの23年6月期第2四半期決算会見において、吉松徹郎CEOは「コロナ下でD2Cブランドは台頭したが、その勢いのまま成長できるような簡単な状況ではなくなった」と言及。D2Cブランドが過渡期を迎えているのは間違いない。
例えば、D2Cブランドの代表格、バルクオムの失速だ。卸流通ではドラッグストア、バラエティショップ、化粧品専門店、ヘアサロンなどに展開。配荷は4000店以上に達し、ブランド認知は高まったものの、希少性が著しく薄れ、「思った以上に売れない」(流通バイヤー)という。21年8月10日に初のフラッグシップショップを新宿マルイ本館1階にオープンしたものの、22年7月29日に閉店。事業のテコ入れは待ったなしの状況だろう。
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