ヘアサロンにおける化粧品販売は難易度の高さを示すのが、理美容メーカーが展開する化粧品の販売の伸び悩みだ。業績を公開しているメーカーの実績をみると、例えば業界最大手のミルボンの2022年12月期上期の化粧品部門の実績は、19年にコーセーとの共同開発により誕生した「インプレア」の窓口軒数は前年同期比で10.3%増の1218軒まで取引サロンが広がっている半面、販売高は10.7%減。また、アジュバンの22年3月期のスキンケア事業の売り上げは前年比11.5%増と伸長したものの、その要因はボディケアとキャンペーンを打った美容液が寄与したためで、主力の基礎化粧品ラインやメイクアップは減収だ。その前期の21年3月期は12.3%減だったため、19年の水準まで戻り切っていない。特に基礎化粧品ラインは2期連続のマイナスとなっている。これら両社の実績からは、サロン専売の化粧品をいかにリピート購入につなげてもらうか、その難しさが浮き彫りになる。

ディーラーの経営幹部は、「サロンでスキンケアをはじめとした化粧品を買うということは生活者の習慣・行動を変えることになる」と指摘する。ミルボン・コーセーのタッグはエポックメイキングで期待値が高い分、早急な成果を求める向きもあろうが、この大手同士の取り組みも含めて、ヘアサロンで化粧品の価値を浸透させていくことについては長い目で見る必要があるだろう。

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