原価率が高すぎる日本ブランド

中国市場では、日本企業はこれから多くの苦難に立ち向かうことになる。まず日本のボーナス時期は終焉していることだ。2010年代に流行ったインバウンド、トラベルリテール、現地販売を組み合わせたビジネスモデルが機能したのは、欧米ブランドの価格訴求が弱く、中国ローカルブランドが少なかったからだ。日本ブランドは、新規獲得と愛用者育成の両輪が回り、我が世の春を謳歌した。しかし、今は競争環境が一変。欧米の高級ブランドが価格訴求を強化。ローカルブランドは低価格帯を席巻するとともに、200~300元(4000~6000円)の美容液で成功するなど、中価格帯でも存在感を出し始めている。この環境下で日本ブランドが新規参入しても、以前のような成長は望めない。

「クレ・ド・ポー ボーテ、コスメデコルテ、イプサ、NARSなど、いま独身の日で上位にランクインするブランドは、中国参入の時期が良かった。今後、中国市場に挑むブランドは、過去の成功事例にとらわれない方がいい」(中国投資会社の日本事業トップ)

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