中国最大のセール「独身の日(W11)」。2022年は異例ずくめの年になった。誰もが中国市場の変調と感じたのは、ECの雄、アリババと京東集団がW11の流通総額(GMV)を非公開にしたことだ。毎年、両社は競うように「流通総額 過去最高」と喧伝していたが、今年は「昨年並み」(アリババ)、「昨年を上回った」(京東集団)と述べるにとどめた。

その理由は中国共産党の厳しい視線だ。中国経済はスローダウンしており、消費者の財布の紐が硬くなっている。アリババ、京東集団の流通総額は想定以上に伸びなかったのは事実だ。それでも例年なら、取引先に圧力をかけて水増ししてでも「過去最高値」をつくり、自慢げに発表していた。それを避けたのは、社会秩序を重んじる中国共産党がお祭り騒ぎを快く思っていないからである。アリババや京東集団を含む小売業と販売・マーケティング支援を担う代理店は、W11の前に「派手に騒ぐのは控えよう」と打ち合わせを行ったという。

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