コーセーは9月22日、幼保施設を拠点に園児のスキンケアの習慣化を目指した実証実験「スキンケアはじめて、つづけてサポート」を10月19日から実施すると発表した。実施期間は約1カ月間で、幼保連携型認定こども園「たかさごスクールおおたかの森」(千葉県流山市)で行う。
近年、子どもたちの成長過程において、適切なスキンケアを行うことの有用性が広く知られるようになっている。例えば、継続的なスキンケアにより赤ちゃんの肌を健康に保つことは、アトピー性皮膚炎やアレルギー予防に繋がり、将来も含めたQOLの向上が期待されている。そのため、コーセーではこれまでもスキンケアとアレルギーに関する研究や、一般の方向けの公開講座などの啓発活動に取り組んできた。
一方で、現代の共働き世帯が増加し、十分な育児時間を捻出することが難しい社会環境の中では、家庭内でゼロから子どものスキンケアを取り入れることには大きなハードルがある。実際、育児中の保護者の方へ子どものスキンケアに関してインタビューしてみると、「時間を作ることが難しい」「継続するのは大変」「適切な方法がわからない」「そもそも何を使って良いのかわからない」などといったそれを裏付ける声が数多く得られた。
そこで着目したのが、子どもたちが多くの時間を過ごす幼保施設だ。幼保施設では、子どもたちが友達と一緒に成長する過程で手洗いなどの多くの生活習慣を身に着けていく。今回の取り組みでは、スキンケアを保育時間に導入することで、子どもたちが、スキンケアや肌への興味関心を持ち、スキンケア方法を学び、自立したスキンケア習慣が身につくと考え、その習慣化の検証を実施するに至った。
約1カ月間の中で、子どもたちが自発的にスキンケアをするようになったのかを保護者や保育者の協力を得て検証。検証期間中は、肌が清潔に保たれる、肌がカサカサしない、肌がしっとりする、などといった肌の状態が良好に保たれることが期待される。
また、子どもたちが園でのスキンケアを経験(体験・習得)することで、家庭で保護者の助けがなくてもスキンケアができる、保護者と一緒にスキンケアをしてみることを促すなど子どもたちの自主的な行動の変化が起こることが期待される。
同実証実験の結果や得られた知見を踏まえ、子どもたちへのスキンケア習慣の普及に向けて引き続き検討を進めていく。
なお、同実証実験を始めるにあたり、保護者へのインタビューを実施。そこで明らかになった、子どもへのスキンケアの悩みや、スキンケアの習慣化を助けることを目的に、「千葉愛友会記念病院」(千葉県流山市)の小児アレルギーの専門医療チームの協力の下、コーセーオリジナルの「はじめてのスキンケアキット」(下写真参照)を作成した。
同キットには、子どもたちが安心して使うことができる「乳液」、子ども向けのスキンケア方法を親子で詳しく学ぶことができる「スキンケアブック」、子どもが自らスキンケアの大切さについて学ぶことが出来る「スキンケア絵本」が含まれている。
さらに、コーセーから保護者や幼保施設の保育者向けにスキンケア教室を実施することで、スキンケアの意義の紹介や疑問点の解消を行う。これらを幼保施設と各家庭に提供することで、スキンケア習慣の幼保施設への導入や、家庭での実施をサポートする。