ロート製薬は、物流における環境負荷低減を目的として、素材の一部に海洋プラスチック(OBP〈オーシャンバウンドプラスチック〉)を活用したプラスチックパレットを、製品の保管・荷役時の物流資材として導入し、2022年8月より順次使用を開始する。

一般用医薬品業界で、海洋プラスチックをアップサイクルしたリサイクルパレットを物流資材として導入するのは初の試みとなる。なお、OBPとは、海岸線から50キロメートル以内の内陸部で正式な廃棄物処理を行っていないコミュニティから収集されたプラスチック素材のこと。

同社はこれまでも、環境方針および全社エネルギー管理基本方針のもと、省エネ活動や省資源・省廃棄活動を推進し、独自の環境マーク「R・ecoマーク」や小売業と協業した容器回収プログラム、環境に配慮した商品パッケージなど商品開発分野において環境への負荷軽減に向けた取り組みに注力してきた。また、物流センターにおいても、輸送の合理化によるCO2排出量削減に向けた「モーダルシフト」や「共同配送」など取り組んでいる。

近年、廃プラスチックによる環境問題は世界的に注目されているが、中でも海中や海辺に廃棄された“海洋プラスチック”が大きな問題となっている。同社は、海洋プラスチックごみ問題に対して業種を超えた幅広い関係者の連携を強めイノベーションを加速するためのプラットフォームとして設立された「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」に21年3月に加盟し、取り組みを進めている。

今回、海洋プラスチックごみ問題への取り組みの一環としてリサイクルパレットを導入することで、海洋プラスチックの流出防止と削減に寄与することができるとの考えを示している。