花王は5月30日、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に育成型(地域共創分野)プロジェクトとして採択された「デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」に参画し、慶應義塾大学・鎌倉市および参加企業・団体の共創により、「リサイクリエーションラボ」を開設すると発表した。

同プロジェクトでは、慶應義塾大学が持つデジタルプラットフォーム・IoT・3D製造技術を、「ゼロ・ウェイストかまくら」の実現を目指して、ごみの減量や資源化を推進してきたSDGs未来都市の鎌倉市に導入し、産官学民が連携して市内で排出されるプラスチックをより付加価値のあるものに再商品化。それを地域に還元することで循環型社会の構築を進めていく。

花王は、2015年より、使い終えたものを再び資源に戻す「リサイクル」と、新たに価値を創造する「クリエーション」を合わせて、一度使い終えた洗剤やシャンプーなどのつめかえパックに、技術や知恵、アイデアを加えることで、より楽しいモノ・よりよいモノとして新たな価値を創り出す「リサイクリエーション」の活動に取り組んでいる。

日用品を使うお客をはじめ、自治体やNPO、企業などに協力を募り、各地域の人々から回収した洗剤やシャンプーなどの使用済みつめかえパックを「おかえりブロック」と名づけたブロックに再生し、そのブロックは回収に協力した地域に活用してもらっている。

一方、鎌倉市では16年より、使用済みつめかえパックの回収を実施しており、資源循環型社会への新しいシステム・ライフスタイルの提案を進めきた。

同プロジェクトでは、このリサイクリエーション活動を統合し、回収からアップサイクルまでをつないで、市民・自治体・企業のすべてが創造的に参加できる新しいしくみづくりを探索する。

花王は、回収した使用済みつめかえパックを再びつめかえパックへ戻す水平リサイクルへの研究を本格的に進めながら、同プロジェクトのコンセプトである「プラスチック地捨地消」を具現化する地域循環モデルの確立を目指す。また、あわせて発足する、「駅」を舞台とした「SHONAN FAB STATION PROJECT」では、プラスチックリサイクルをテーマとして6月1日より湘南モノレール湘南江の島駅に展示するモノレール模型sasumo(サスティナブルモノレール)の展示台に、約2400個の「おかえりブロック」が使用されている。