化粧品は内需が弱く日用品は原料高が課題

――化粧品・日用品業界の2021年12月期決算が出そろいました。各企業の決算を分析する上で、それぞれの市場の動きについてどのように捉えていますか。

佐藤 化粧品市場については、アフターコロナへの移行が進まず、当てが外れました。日用品市場を見ると、まん延防止等重点措置が施行されても、ハンドソープの需要の反動減が続きました。手洗い頻度が落ち、その点はアフターコロナに移行しているということでしょう。しかし化粧品市場は、依然需要の回復が見えず、最近はアフターコロナに移るという視点そのものが間違っている可能性があるのではないかと思うようになりました。ロレアルは、21年の世界のビューティー市場について、メイクアップ以外は19年の水準に戻っていると説明しています。日本ではマスクの常態化やリモートワークの活用は日常生活に根付き、つまりこの内需の水準でもすでにアフターコロナが始まっていると考えるべきではないかと思うようになったのです。内需が従来水準に戻ってないように見えるのも実はインバウンド需要が含まれていた可能性がある。それは中国本土に消費が回帰し吸収されているかもしれない。そうした視点でこれからは「回復する」のではなく「再成長する」ことに主眼を置くべきかと思います。

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