コロナで噴出した古くて新しい課題

リアルの化粧品売り場の改革は、待ったなしの状況だ。そのきっかけは、新型コロナ禍である。マスク着用の状態化、リモートワーク定着は、新しい化粧ニーズを生み、売り場のカテゴリー比率を変えている。タッチアップ活動への制限は依然として残り、百貨店売り場のテスターはビニールシートに覆い隠されたままだ。非接触の購買体験はアップグレードが必要だろう。そしてECの成長は、一段とリアルの売り場の存在意義を問う。商品を買うだけなら、利便性が最優先となり、リアルからECへの顧客の流出が進むからだ。

富士経済の調査によると、2020年の店舗販売市場は前年比18.4%減、無店舗販売市場は0.9%減。21年はそれぞれ3.5%増、2.8%増の見込みである。だから「コロナ禍になり、大丸東京店ですら客数が激減。改めてリアルの価値を問い直すきっけかになった」(大丸松坂屋百貨店本社経営戦略本部DX推進部デジタル事業開発担当明日見世プロジェクトリーダー・廣澤健太氏)という声が製販を問わず相次ぎ、化粧品売り場のあり方に向き合う企業が増えている。

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