ポストコロナを見据え、美容業界の動きが活発になってる。その一例は、全国美容用品商業組合連合会(全美商連)主催の「アジアビューティエキスポ 2022(https://www.asiabeautyexpo.jp/)」だろう。
同イベントは、NBBA(全国理美製造者協会)、TOKYO RIBI PRODUCTS(東京理美容品卸商業協同組合)などの協力のもと、全美商連が主導する国内最大級のプロフェッショナル理美容業界イベントで、国際的にも知名度が高く、アジアのみならず世界中から注目されている。2018年の前回大会は、来場者が約4万3000人。そのうちアジアから約5000人が訪れ、日本の美容への注目度の高さを見せつけた。「アジアビューティエキスポ 2022」は、22年5月30日(月)・31日(火)開催予定で、会場はパシフィコ横浜(展示ホールA・B・C)。オンラインでの参加者を含め、約5万人以上の来場者を見込む。もちろん、アジアの国・地域への販促にも余念がない。
もともと理美容業界はイベントが多い業界で、各種催し物が、業界活性に不可欠な役割を果たしてきた。しかし、コロナ渦のこの2年間、大型イベントは軒並み中止を余儀なくされ、コンテンツはオンラインへとシフトしている。しかしながら、人が人に対してサービスを行うプロフェッショナル理美容の世界では、リアルイベント待望論は絶えず、今回の「アジアビューティエキスポ 2022」は、その期待感に応えるべく満を持してスタートを切った格好だ。
当初、コロナの影響で、メーカー各社の出展の出足は鈍いとみられていたが、蓋を開けてみると(8月4日現在)、緊急事態宣言下にもかかわらず、募集から2カ月余りで、7割強の小間が販売終了となっている。特に「アジアビューティエキスポ2022」は、50小間のみ限定で販売可能エリアが新設されており、こちら残り僅かとなっている。「販売エリアは、新しくスタートした企画なので、まだ知らないメーカーさんも多いようだ。正直、問い合わせなどの対応で手が回らなくなってきている」(事務局)。出展の申込締め切りは10月末。ただし、500小間に達し次第、販売終了となるだけに、理美容業界の企業による争奪戦は続きそうだ。
「アジアビューティエキスポ2022」はイベント公式アプリやHPが充実。ハイブリッド開催ということもあり、リアル出展だけでなくオンラインで商品やブランドをPRすることができるのも今回の特徴で、例年以上に出展社メリットが高いコンテンツになっている。
展示エリアのほか、三つのヘアショーステージが設ける予定で、50以上の有名サロンが出演する。世界へ向けた中継コーナーなども特設する予定で、日本の美容文化をグローバルワイドに発信する。この2年間は、経済活動が規制される方向で物事が進んできただけに、「このエキスポが美容業界の健全な活動再開へのターニングポイントになってくれれば嬉しい」と業界関係者の期待も大きい。
新型コロナは、日本の生活者の美と健康意識を高めている。EC台頭はあったものの、自分に適したものを見つけるために、リアルでのカウンセリングを望む声は後を経たず、コロナ感染者数が減り始めると、ヘアサロンを含む美と健康のプロフェッショナルがいる店舗を訪問する人が少なくない。いま美と健康市場の動向は厳しい。だが、アフターコロナを見据え、生活者は消費を我慢しているのは確か。そのリベンジ消費を見据え、先手を打つ「アジアビューティエキスポ 2022」は、理美容業界にとって一段と必要不可欠なイベントになり始めている。