20代、30代に強いブランドが台頭

まつげ美容液のPHOEBE BEAUTY UP、メンズスキンケアのBULK HOMME、ヘアケアのMEDULLAなど、化粧品市場で頭角を現すD2C(Direct to Consumer)ブランドは枚挙に暇がない。業績は非公開が多いものの、BULK HOMMEはコロナ禍の増収率が200%だという。Sparty社はMEDULLAの黒字化を達成し、スキンケア、ボディメイクの新ブランドを投入。スキンケアブランドのAGILE COSMETICS PROJECTはユーザー数が二桁増を維持、継続率も右肩上がりだという。D2Cブランドの顧客層は20代、30代が中心。大手企業の商品開発担当が「喉から手が出るほど欲しい若年層を奪われている」と強い危機感を持つように、既存ブランドにとって新たな脅威になっている。

D2Cに明確な定義はない。時折、独自色の強い情緒的価値や機能的価値を特徴に挙げるケースも見かけるが、それは既存の化粧品ブランドにも十分にある要素だ。ダイレクト販売であることも、従来の通信販売と共通点が多い。そう考えると、D2Cの強みは、ブランドと個人が結びつくことに集約される。商品、情報をパーソナライズすることで「私のためのブランド」と強く意識させ、固定客化を図る。作り手の顔が見えることから生まれる信頼も、D2Cならではの競争力を生む。これが20代、30代の生活者ニーズと合致し、D2Cブランドは売れている。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

ログイン