リーディングカンパニーが「究極のサプリ」を提案

自分の健康状態に適したサプリを飲みたい。この根強い生活者ニーズに応えるのが、メーカーと顧客が直に結びつくことで実現するサプリメントのパーソナル化だ。その先頭を走るのは、ファンケルが2020年2月20日に発売した「パーソナルワン」である。この商品は、食生活や生活習慣に関する45問のウェブアンケートと、ビタミンやミネラルなどの基本栄養素の充実度を客観的に把握する尿検査を行った後、医師監修で開発した理論に基づき、一人一人に適した基本栄養素(ベースサプリ)と健康悩み対策サプリを組み合わせて提供する仕組みだ。粒数や種類を踏まえると、サプリの組み合わせは10億通り以上。すべて自社工場で生産し、1カ月に1度定期的に30日分の製品を届ける。

ファンケルがサプリのパーソナル化に挑むのは、健康食品事業の売り上げ、収益の最大化を図るためだ。食品剤型の展開でサプリのトライアル機会を創出し、市場を拡大。既存のサプリ事業の強化に結びつけ、さらにパーソナル対応に踏み込むことで、高収益のビジネスモデルを構築する。同社は機関投資家に対し、21年5月末のユーザー数は5000人、平均購入単価は1万円、21年3月期の売上高は3億円と説明。23年までの中期経営計画でそれを20億円まで引き上げるとしている。ターゲットは健康意識が高く、高所得の50~60代に限られるため、まずは「100億円の壁」を越えられるかが焦点の一つだろう。ただし、サプリ選びの不安、不便、不満を取り除く「究極のサプリ」の提供は、四半世紀前にサプリメント事業を立ち上げたリーディングカンパニーであるファンケルの気概を強く感じる、と業界関係者の賛辞が広がっている。


好スタートを切ったファンケルのパーソナルワン

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