2021年1月1日、敏感肌化粧品ブランド「ディセンシア」の社長に山口裕絵氏が就いた。同氏は、1999年にポーラ入社。2017年に商品企画部長、18年に執行役員 商品・宣伝・デザイン担当 商品企画部長を務めた。2000年代のポーラといえば、訪問販売の業態転換、高級ブランド「B.A」の急成長など、化粧品業界の中での存在感を一気に高めた時期。その舞台裏を知り尽くす山口氏は、ディセンシアをどのようなブランドに導くのか。新社長の方針と意気込みを聞いた。
社員のマインドを変え、ECの豊富な知見を生かす
――山口さんのキャリアは、ポーラ一筋です。社長の役割についてどのように考えていますか。
山口 とても困る質問ですね。理想の社長なんて考えたことがないですから。これまで商品開発やマーケティングを手掛けてきましたが、それ以外のマネジメントにも責任を持たなければいけない。しかし、ビジネスで最も大事なことは、人のマインドであることは、ポーラでも、ディセンシアでも変わらないのではないでしょうか。特にディセンシアは、ポーラ・オルビスグループの社員が生んだベンチャー企業で、社員はほとんどが中途採用です。そのメリットは、即戦力ですから、入社直後からハイパフォーマンスを発揮してくれることですが、その一方で、知識と経験が豊富であるがゆえに、取り組みの成否を頭の中で計算できてしまう。仮に相反する施策がある場合、どちらかを諦めてしまう可能性があります。ディセンシアはECを軸に発展してきたブランドです。コロナ禍で化粧品EC市場は活性化していますから、次の進化がなければ優位性を失います。つまり、過渡期を迎えているEC市場でディセンシアが勝ち抜くには、トレードオフの思考停止に陥るのではなく、相反するものをブレークスルーしていくマインドが今まで以上に求められるんです。このようなイノベーティブな人材が集まる集団に導くことが、ディセンシアの成長につながると考えています。だから、人材のマインドチェンジこそ、社長の仕事だと思っています。
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