コロナ禍で医療機関への不要不急以外での受診が問題になるなかセルフメディケーションへの機運が高まっている。表現を変えれば、軽い病気なら市販薬を飲むなどして自分で治すということだ。このセルフメディケーションと切っても切り離せないのがスイッチOTC(大衆薬)化の推進だ。既に5年前の2016年に厚生労働省は「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を設置し医療用医薬品からOTCへのスイッチの促進を目指してきた。ところが医師会の反対が強く一向にスイッチ化が進まなかった。この現状にコロナ禍が一石を投じ、再びスイッチOTCの議論が盛り上がりを見せている。
そもそも再び議論が動き出す切っ掛けになったのは昨年7月、政府の規制改革推進会議からスイッチOTCを拡大させる提言を盛り込んだ答申が提出されたことによる。スイッチ化が進まなかった理由は、評価検討会議の形骸化にある。会議の構成メンバーは医師などの医療従事者がほとんどを占めていたため、議論の中身が安全性やリスクに集中していた。そのためこれまでスイッチが可とされたのは既存OTC薬と同種同効のものが中心で、海外で既にスイッチされ、消費者のニーズの高いものは見送られていたのが現実だ。
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