エステーは、1月28日、21年3月期第3四半期決算を発表した。

連結業績において、売上高は前年同期比5.4%増の387億8800万円、営業利益は同22.3%増の37億1900万円、経常利益同19.1%増の36億1200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同19.6%増で24億8800万円。

新型コロナウイルス感染症拡大により、巣ごもり需要と衛生意識の高まりから全体的に売り上げが伸長。利益面では、マーケティング費用の増加があったものの、販売数量増加による売上総利益額の増加の他、効果的費用投資や外出自粛などによる活動経費等の抑制により売上高に対する販売費及び一般管理費率が低下した結果、増収増益となった。

カテゴリー別に見ると、エアケア、衣類ケア、サーモケア、ハンドケア、湿気ケア、ホームケアと全てのカテゴリーが好調に推移した。

構成比で全体の4割を超えるエアケア(消臭芳香剤)では、在宅勤務や外出の自粛要請などの影響による業務用や車用消臭芳香剤の落ち込みや、海外子会社の売り上げが低迷したものの、「玄関・リビング用 消臭力 Premium Aroma」等の高単価・高付加価値品が堅調だった他、悪臭成分を感じにくくする新技術を用いた新製品「消臭力 DEOX」が貢献しました。また、内食需要の高まりから「脱臭炭 冷蔵庫用」が大きく伸長し、2.1%増の170億3400万円となった。

衣類ケア(防虫剤)は、「ムシューダ カバー」をはじめ「ムシューダ クローゼット」等が伸長した他、新製品の「ムシューダ ダニよけ」も貢献。売上高は3.6%増の67億3300万円となった。

成長事業の柱として育成を進めるサーモケア(カイロ)も好調だった。前シーズンの返品は減少した他、年末の寒波の影響により「くつ下用」等の使い捨てカイロの伸長や、海外輸出も貢献し、1.8%増の39億1300万円。

ハンドケア(手袋)は、新型コロナウイルスに対する除菌・衛生意識の高まりや内食需要の高まりから使い捨て手袋が大きく伸長した他、海外での家庭用手袋も伸長し、23.0%増の50億6700万円となった。

湿気ケア(除湿剤)は、競争が激しい市場であるため、差別化によりユーザー拡大に向けた取り組みを進めてきた結果、タンクタイプやシートタイプが好調に推移し、7.5%増の28億9100万円だった。

「洗浄力」ブランドなどを含むホームケア(その他)は、内食や巣ごもりによる需要の高まりから「米唐番」や「洗浄力 洗たく槽クリーナー」等が好調に推移したこと、業務用ルートで持続性のある除菌剤新製品「Dr.CLEAN+(ドクタークリーン)除菌・ウイルス除去スプレー」も貢献し、5.8%増の31億4600万円となった。

非常に好調な成長を見せたエステーだが、通期の業績予想は据え置き。引き続き、持続可能な経営基盤への脱皮というテーマを掲げて取り組んで行くとしている。