オルビスは、11月26日、同社の新たなアプリコア戦略についての発表会を同社旗艦店スキンケアラウンジバイオルビスにて開催した。

同会で話題の中心となったのは、5年後、10年後、20年後の肌の様子を顔写真上で変化させる「AI未来肌シミュレーション」だ。

サービスのメイン対象は30~40代で、エイジングサインを感じている人や今後のエイジングサインへの不安を拭えない人を想定。科学的に未来の肌を予想し、自分の未来の肌と向き合うことで、いま本当に必要なお手入れやオルビスのスキンケア習慣とを楽しんでもらうきっかけにする狙いがある。

他の加工アプリとの一番の違いであり、アプリプロジェクトリーダーを務めるマーケティング戦略部CX・ICT戦略グループの井口悦雄グループマネージャーが特にこだわったと語るのが、「エンタメ性を高めずにリアルを追求」した点だ。

ただ写真にシワやたるみを書き足していくのではなく、その人の現在の水分や油分による肌コンディションのデータ、生活習慣についてのアンケート、肌の画像解析によるエイジング指標、現在の年齢や使用しているアイテムなどを反映。使用アイテムを追加すると未来の予想画像が変化したりと、肌の改善に焦点を当てた設計となっている。これらのことを通して、リアルな未来の自分の姿を予想し、今と未来のスキンケアに役立つアドバイスにつなげる考えだ。

開発を担当した同 島田久美子氏は、「未来の自分は気になるが、見たくないという相反する気持ちがある。そこで、未来予想機能をエンタメにはせず、リアルを追求。アウトプットにも幅をもたせています。診断を使うことで、化粧品を使うといまだけじゃなくて未来の肌も変わるということを伝えたい」とアプリ開発の意図を力強く語った。

着想から今回のお披露目まで5年ほどの年月が掛かったという同アプリだが、11月26日時点で南青山の旗艦店の他、鹿児島県、静岡県などのオルビスショップ3店舗でサービスを開始しており、順次拡大予定。また、オルビスの独自アプリ「ORBISアプリ」内への実装は12月15日を予定。店舗に行かずとも、自分のスマートフォン上で簡単に診断でき、かつその結果を保存することができる。

現在、ORBISアプリは307万件のダウンロード数を誇っており、コンテンツも充実している。パーソナルカラーと顔立ちによってオススメのメイクを診断できる「パーソナルAIメイクアドバイザー」はSNSでも人気を博しており、9月25日に実装された「AIアイブローシュミレーター」はサービス開始1カ月で累計10万件の実施件数となっている。今回新たに追加される「AI未来肌シミュレーション」も大きな反響を呼びそうだ。

小林琢磨社長は、「オルビスは創業以来スマートエイジングという理想を掲げている。誰かの価値観ではなく、自分が納得する年齢の重ね方を一番大事に、オルビスはその伴走者でありたいと思っている。今回のアプリは、その一つとしてとてもおもしろいものが仕上がった。たくさんのひとに自分がどういうふうに年齢を重ねてどういう肌になっていくのか、どういう肌になりたいか考えるきっかけになると思います」と期待を込める。