ユニ・チャームは、東京都が公募する「使用済み紙おむつのリサイクル推進に向けた実証事業」における、「効率的な収集・運搬手法」モデルの事業者に採用されたことを明らかにした。これにより同社は、東京都の各自治体・企業・団体と協業し、「使用済み紙おむつのリサイクル」推進を通じて、持続可能な社会への貢献を目指し、地球環境保全と経済的成長を両立する事業活動に取り組んでいくことになる。

高齢化社会の進展にともない、紙おむつの使用量は年々増加しており、さらに使用後の紙おむつは水分を吸うことで嵩を増して、廃棄処理に大きな負担となっている。環境省の調査によると、2015年度の一般廃棄物に占める紙おむつの割合は4.3~4.8%、年間で約191~210万トンに対して、30年度の予測では、一般廃棄物に占める紙おむつの割合は6.6~7.1%、年間で約241~261万トンと増加すると見込まれている。

そうした中、ユニ・チャームは循環型社会を目指して、15年より使用済み紙おむつを再資源化するプロジェクトを開始し、16年12月からは鹿児島県志布志市や大崎町とともに実証実験を行ってきた。実証実験を通じて、パルプ等を衛生物品に利用可能なレベルまで再生する技術の確立、洗浄・分離時に使用する処理水まで再利用した「循環型モデル」を推進している。

こうした「循環型モデル」の推進で欠かせないのが、使用済み紙おむつの分別方法や、分別回収に行きつくまでの事業計画だ。今後は、都内自治体の協力を得て、高齢者施設・保育園等にて、使用済み紙おむつの分別を行い、回収会社等とともに分別回収の実証実験を開始する。さらに、使用済み紙おむつリサイクル事業を、国内および海外で展開できる循環型モデルの構築を行い、新たな課題を明確にして対策を行っていく考えだ。