ユニ・チャームは、清掃空間に対して清掃用品の適合性が、気分に及ぼす影響について、福山大学、北海道大学と共同で検証し、日本心理学会第84回大会(2020年9月8日~11月2日、Web開催)にて発表した。

今回の発表内容は①フローリング清掃を行うことで、ポジティブ/ネガティブ気分が変動する、②その気分変動は清掃環境と清掃用品との適合性で変化する(スムースに清掃できた場合はポジティブに、できなかった場合はネガティブになる)、③清掃時間の短縮/延長が、ポジティブ/ネガティブな気分変動と関係する、④フロアワイパー使用時のストレス・負担の感じ方(特に快適さや楽しさの評価)がポジティブな気分変動と強く関係する――の四つだ。

近年、住宅の狭小化やフローリングへのラグマットの設置で、狭いスキマが発生するといった住居環境の変化が見られている。同社は、今まで諦めていたスキマの清掃が可能となることで、使用者のストレスや負担が減るのではないか、またストレスなく清掃ができることで清掃後の気分も高まるのではないかと考え、清掃空間と清掃道具の組み合わせにおけるフローリング清掃による気分変化について、福山大学心理学科と北海道大学文学研究院と共同で検証してきた。

すると、スキマに入りやすいフロアワイパーを使用した場合は、清掃後にポジティブな気分は高くなり、ネガティブな気分は低くなるという結果が得られた。一方で、厚みのあるフロアワイパーを使用した場合には、清掃後にネガティブな気分が高くなった。

使用感の評価では、「平面の拭きやすさ」を除き、厚みのあるフロアワイパーに比べてスキマに入りやすいフロアワイパーを使用した場合の方が高く評価された。特にスキマに入りやすいフロアワイパーを使用した場合は、「ストレスを感じない」「快適に使用できた」「楽しく清掃ができた」「スキマを拭きやすい」「また使用したい」等が高く評価された。さらに清掃時間においても、スキマに入りやすいフロアワイパーを使用した方が清掃時間が短くなるという結果になった。

ユニ・チャームは、今後も清掃用品について、ごみ取れ性や拭き取り性など基本機能を高めることはもちろん、新型コロナウイルスの影響による「新しい生活様式」の実践など、生活環境の変化に伴う清掃環境変化を捉えた提案をするとともに、使用時のストレスや負担を少しでも減らせるよう、また快適さや楽しさなどの使用感を高めていけるような商品開発を行っていく考え。

また、共同研究にあたった福山大学心理学科宮崎由樹先生は今回の検証結果について「今回、清掃環境にうまくマッチしたフロアワイパーで清掃することの大切さが明らかになりました。スムースに清掃が進むと気分が明るくなる一方、狭いスキマやその奥を清掃できないことは、非常にストレスとなり、清掃後に気分が暗くなってしまうようです。その他に今回の検証では、『スキマに入りやすいフロアワイパー』と『厚みのあるフロアワイパー』の使用感を比較しましたが、『スキマに入りやすいフロアワイパー』を使用することは快適で楽しいこと、清掃後にまた使用したくなることも示されています。利用者の感性をくすぐる良質な製品を使用することで、私たちの清掃の時間が楽しいものになることを願っています」とコメントしている。