日本化粧品工業連合会(粧工連)は9月4日、化粧品関係業界専門紙との懇談会をオンラインで開催。冒頭、魚谷雅彦会長があいさつし、続いて塩島義浩企画政策会議委員長兼広報委員長が「将来ビジョン2022」の実現に向けた第2期3カ年の活動実績および第3期4カ年の取り組みについて説明した。
魚谷雅彦会長
塩島義浩企画政策会議委員長兼広報委員長
以下は魚谷会長のあいさつの要約である。
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新型コロナウイルス感染拡大により、私たちの日常は一変しました。日本および世界の経済は未曽有の危機に直面しております。
化粧品産業においても、国内出荷額は昨年まで極めて好調に推移しておりましたが、これが打って変わりまして今年の1~6月までの実績では個数、金額ともに2桁を超えるマイナスとなっています。これは経済産業省が統計を取り始めた1985年以来、初めてのことで、それほど大きな影響を受けていることを意味します。他の業界と化粧品業界を比較しましても、残念ながら化粧品業界はコロナの影響がかなり深刻であると言えます。いわばこれまでの私たち化粧品産業全体の常識、在り方を根底から揺るがすかもしれない状況が起こりつつあり、強い危機感を持って臨んでまいりたいと思います。
日々の生活を見ても、生活者の価値観、意識、行動は大きく変化。新しい生活様式、いわゆるニューノーマルあるいはウィズコロナと言われる生活様式のなかで、迅速かつしなやかに対応していかなければ、化粧品産業の未来はないと言っても過言ではありません。そしてコロナが収束したとしても、すべてが元に戻るということではないと考えるべきだと思います。一例として、SNS、EC、いわゆるデジタルに関する生活スタイルが大きく進行しており、今後さらに進んでいくと考えるべきです。各国との比較のなかで、日本のデジタル化の遅れが指摘されていますが、化粧品業界も例外ではありません。業界として事業のなかでうまくデジタルを活用していくということが必要であろうと思います。また、こうした環境下ではグローバル化がさらにボーダレスに進んでいくのではないかと思います。
総括的に申し上げますと、日本の化粧品業界も大きな岐路に立っているという認識を持って粧工連としても大きな変化を逆にチャンスとしてとらえ、化粧品産業の新たな未来、新たな形をつくるために、主体的に行動していくべきではないかと考えています。
粧工連では日本の化粧品業界の将来のあるべき姿として、「将来ビジョン2022」を策定し、二つの目標を掲げています。具体的には〝消費者の化粧品産業に対する信頼性の向上〟〝日本の化粧品産業全体のグローバル競争力の強化〟です。これらについてはさまざまな活動に取り組んでいます。
2020年はこれまでのこうした取り組みを前進させるとともに、ウィズコロナの時代であることを踏まえ、化粧品産業としての社会的使命の遂行、そして会員企業の製品開発、販路拡大を支援するような環境整備、粧工連活動の基盤強化に取り組んでまいります。
そのなかで、特に申し上げたいのは、粧工連活動の基盤強化、化粧品産業に携わる人材の育成です。将来を担う人材の育成が喫緊の課題であると考え、各方面の協力を得まして、粧工連次世代リーダー研修をスタートさせます。10年先、20年先を見据え、企業の垣根を超えて業界全体がより良くなっていくために、広い視野で俯瞰し、業界をけん引するリーダーを育成するということをいま始めなければならないと考えたいます。それが将来の日本の化粧品産業のさらなる発展をもたらす大きな要因になるのではないかと期待をしているところです。
ぜひ、多くの企業の皆さまにご参加をいただくと同時に、ご支援、ご協力をお願いしてまいりたいと思います。