ナリス化粧品は、多様性を認め個々が働きやすい環境整備に取り組む中で、育児・介護に関わる社員の両立支援の一環として、男性社員の育児休暇取得についての理解を深めるための「パパブック」を作成したことを6月30日に明らかにした。同書を通じて、男性育休取得者増と同時に社員の成長と生産性向上を目指す。

同社は、女性活躍が注目される以前の15年以上前から、産前休暇以外の制度について、女性だけでなく男性社員にも同じ制度の適用を認めてきた。3年前には、育児と介護に関わる人のための両立支援として、サポートブックを作成。一般社員だけでなく、管理職の理解を深める教育を行うなど環境整備を行ってきた。

複数の同社独自の制度の充実化や進化により、2016年には、「女性の育児休業復職率連続10年100%達成」。17年には「育児休業後の女性の定着率3年連続100%」。18年には「女性管理職比率10年間で2倍超」。19年には「正社員女性比率10年間で34%から53%に」といった実績を達成。このような成果が認められ、18年12月には、日本最大規模の女性活躍アワード「forbes japan women award」、20年2月には「大阪市女性活躍リーディングカンパニー 優秀賞」を受賞している。

そうした中、18年雇用均等基本調査によると、日本の男性の育休取得率は、6.16%にとどまっているという。同社の18年4月から20年3月の直近2年間での育休取得率は、18.2%で、22人の対象男性社員に対して4人が、育児休暇を取得している。同社では、07年に初めて3カ月の長期間の男性育休取得者がおり、その後、役職者の育休取得事例などが、周囲の空気感を変えるきっかけとなり、複数回の育休取得者もいるほど、育児休暇を取得しやすい環境に改善されつつあるという。

今後、新型コロナウィルス感染拡大予防の観点でも男性が育児に果たす役割や自宅での家事の分担は、さらに重要になると考えられる。そこで「パパブック」を活用し、取得者増に向けて環境整備や、管理職社員への教育を行っていく考えだ。