桃谷順天館グループは3月10日、日本初の西洋医学処方による化粧水「にきびとり美顔水」が、公益社団法人日本化学会主催2019年度(第11回)の「日本化学会化学遺産」に認定されたことを公表した。「日本の化学および化学技術にとって歴史的に貴重な史料」として、“美顔水容器3点(1885年発売当時のもの)”が認定された。
「にきびとり美顔水」は1885(明治18)年に誕生してから135年の時を経ても処方を変えず、にきびに悩む人々に寄り添い続けている製品だ。
同製品は、サリチル酸処方で創られ、にきびとりを効能として宣伝したことから、当初は医薬品として売り出された薬用化粧品だった。化粧品は、その後医薬品とともに安全性の面から医薬品医療機器法(旧薬事法)で厳しく規制されるとともに、医薬品と並行して発展してきた歴史を持っている。
現在、同製品の成分であるホモスルファミンは、医薬品の成分とされており、化粧品に使用することはできない。そんななか、1885年に誕生した同製品が、135年を経ても処方を変えずに販売できるのは、既得権を持つ“歴史”のなせる業があるからこそだ。
このように、「にきびとり美顔水」は、化粧品工業の方向を決めた最初の画期的な製品であり、「日本の化学および化学技術にとって歴史的に貴重な史料」であるとして日本化学会化学遺産に認定された。