原料販売・自社ブランドの二軸で事業展開を加速

――基礎研究重視の姿勢が大きな転換点になったようですね。

奥平 防虫剤から主力事業を芳香剤へ本格的に切り替えていく中、社内で基礎研究への気運が高まり、日本香り研究所を2004年に設立したのがきっかけです。会社規模からして、基礎研究にかけるリソースは限られていたので、日本香り研究所の方針が「パートナーズ戦略」というオープンイノベーション型でスタートしました。香りや空気という切り口で、埋もれている研究テーマを発掘、社外の研究者と協力しながら、エステーが事業化とコントロールを担当する、ネットワーク型の基礎研究をやろう、と。現在一つの成果となっているクリアフォレストはまさにそこから生まれた事業です。森には特有の香りがあるので、何かしらの有機性の揮発成分を出しているはずですが、当時そのことについて詳しく研究している論文はなかった。そこで、07年に国立研究開発法人の森林総合研究所にある樹木抽出成分研究室と共同研究契約を締結。11年にクリアフォレストの事業化を対外的に発表しました。

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