コスモプロフアジア2018が11月16日に最終日を迎えた。この日のセッションでは、TmallグローバルのYi Qian氏、TmallビューティのJason Chen氏のトークセッションで幕を開けた。

冒頭、今年のダブルイレブンの売上高が308億ドルに達したことを語ったQian氏は、中国小売り市場の規模が2017年に5兆6900億ドルまで拡大し世界最大になったことや、そのうちネット通販比率が25%まで高まっていること、ネット通販ユーザーの40%が海外の製品を購入していることなど市場環境について説明。そのうえで、現在ネットユーザーが7億3100万人いること、2020年にミドルクラスが4億人に達するとみられていることから今後もネット通販の構成比は拡大する見通しにあることを示した。なかでもネットユーザーの総数は欧州全域のユーザー数に匹敵するほどで、単一国では最大規模となっている。

また、Tmallグローバルで買い物する消費者の46%はいわゆるニューミドルクラスといわれる品質や安全性を重視する人たちで、Z世代と呼ばれる若者も急拡大していることも説明した。

その後登壇したChen氏は、EC市場が著しく拡大しているなかでも化粧品が70%以上、パーソナルケアが60%以上と大きく成長していることを説明。そのキーワードとして〝女性〟〝若年層〟〝プレステージ〟の三つをあげた。

また、肌診断機と連動させたアプリの活用で顧客のECにおける購買体験の向上に取り組んでいることも明らかにした。

二人の講演の後、会場からは多くの質問が寄せられた。特に多かったのが、新興ブランドや中小ブランドにとってのチャンスについて。これについては、他のネット通販大手と異なり、アリババ傘下に中国のSNSなどを納めており、Tmallグローバルでデータを共有できることから、きちんと消費者分析を行うことでアプローチもしやすいことを強調した。

中国という化粧品の巨大市場に参入する機会をうかがうメーカーは規模の大小を問わず多い。なかでも中国EC大手のTmallによる講演とあって、その注目度は高く、講演中は立ち聞きする人も多かった。

最終日には香港プロフェッショナルネイリスト組合によるコンペティションも終日行われていた。デコラティブなネイルから色彩を抑えた使いやすいネイルまで、様々なネイルが展示され、来場者が写真を撮るなど足を止めていた。