エイボン・プロダクツは、湘南記念病院の土井卓子乳がんセンター長を招き、女性社員のための乳がんセミナーを10月2日に、同社みなとみらいオフィスにおいて開催した。

土井センター長は、現在は年9万人が乳がんを発症しているが、2020年には年間10万人が発症するようになるなど、日本における女性の乳がん罹患の現状を説明。若いから、高齢だからがんにならない、家族に乳がん罹患者がいないから大丈夫といった認識を変えなければならないことや、自己触診は乳がん発見のよいきっかけになることを強調した。

また、マンモグラフィ検査で乳がんが発見しにくい高濃度乳房が日本人女性に多いことから、エコー検査の併用も推奨した。

乳がんの治療においては、「他の臓器への転移を止めるのが乳がん治療の考え方」としたうえで、乳房温存手術か乳房切除術かは患者が何を重視するかにより決めることが大切との考えを示した。

さらに土井センター長は、術後ケアではアピアランスケアにより重点が置かれていることも説明。術後の胸部のスキンケアのほか、脱毛や肌の黒ずみなど抗がん剤の副作用により精神的なダメージを軽減するために、ウィッグやメイクの重要性を指摘。「メイクをすると精神的に明るくなった」といった患者の声を紹介した。