だが、大手バラエティストアのバイヤーによると、「今回の発表は寝耳に水。フローフシから、まったく何も説明がない」と指摘。そして他の小売業のバイヤーは「詳細な説明は今月中に行うと連絡があった」と明かす。公式SNSでは既存商品に関して不足を起こすことはないとあるが、「昨今のメーカー、受託メーカーの生産体制の逼迫などを考えると、本当に品切れを起こさないのか」といったバイヤーの声もあり、信頼よりも不安の方が上回っている状態だ。フローフシの競合ブランドのマーケッターは「大切な販路である小売側にも秘密なのは不可解。ビジネスマナーも逸脱していないか」と問題点を指摘する。

消費者だけでなく、化粧品業界にも波紋を広げるフローフシの発表だが、真相は「単なるブランドのリニューアル」(中堅メーカー営業担当者)。SNS上では、18年11月6月に新ブランド名を発表し、19年2月に各シリーズ毎にリニューアル発売--とリークが始まった。これについて、化粧品業界の関係者は次のように話す。

「完全なメーカーファーストのマーケティング戦略。ブランドの終焉と銘打ち、駆け込み需要を生むことで、在庫を処分。身軽になって新ブランドの育成に力を入れたいというのが見え見えで、消費者を欺く行為ではないか。メーカーとしての品格を疑わざるを得ない」

すでに潮目は変わり始めている。Twitterを見ると、「ちゃんと説明してください」「ストック買いを促したいのか」「ファンを不安にさせるのはどうなのか」「売り方ちょっと間違ってない」など、フローフシのマーケティング戦略に疑問を感じる消費者が少なくない。前出の小売りバイヤーは、「消費者から賛否両論あることは当然予測していたはず。それを含めてのやり方だと思うが…」と苦笑する。吉凶どちらに転ぶかは不透明だが、化粧品業界ではフローフシの品格に傷がつきそうだ。