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顧客の顔の半分に「ミラノコレクション」のおしろいをつけ、左右の仕上がりを比べてもらう。使った側の肌が明るく見え、さらりとした感触や上品な仕上がりを実感してもらえたことが、接客の喜びであり誇りだった。これは、カネボウ化粧品の90周年特別サイト「Kanebo Episode」に寄せられた、同社に46年間勤務した元社員が振り返る店頭での思い出だ。研究者が磨き上げた商品を、販売員がその魅力とともに届け、顧客が価値を実感する。そこには、同社が長年育んできた信頼関係が表れている。
2026年、カネボウ化粧品は化粧品事業の開始から90周年を迎えた。この節目に掲げたのが「ときめきが、ひとを美しくする」というテーマだ。化粧品がもたらすのは、肌を整え、装いを彩る機能だけではない。手にしたときの高揚感や、鏡に映る自分に自信を持つ喜びもある。同社は、そうした心の動きにも美容の価値を見いだしている。
「カネボウ化粧品にとって90周年は、ゴールではなく100周年に向けた新たなスタートだと考えています」。花王の化粧品事業部門プレミアムブランドビジネスグループでKaneboブランドマネジャーを務める佐々木純一氏は語る。次の時代へつなぐのは、90年間で培った「人」「文化」「技術」という資産である。
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