シヤチハタは11月5日、新規事業説明会を開催し、化粧品領域に参入することを明らかにした。1925年の創業以来、スタンプ台や浸透印などの製造・販売を通じて〝暮らしのしるし〟を提供し続けてきた中で、長年培ってきた液体技術を転用し、肌も人の第一印象を決める大切な〝しるし〟の一つとの考えのもと、「化粧品を通じて一人一人の自分らしさと前向きな気持ちを支えていく」(舟橋正剛社長)考えだ。
化粧品分野参入に当たってシヤチハタが重要視するのは、創業以来100年以上蓄積してきた液体の挙動制御技術である。例えば、スタンプ台においては盤面では乾かず、紙に押した瞬間には速やかに乾くという相反する需要を技術で解決してきた。この対象物や環境に応じた液体の状態変化を設計・制御する知見を、化粧品にも応用する。
化粧品市場では、ナイアシンアミドなどの有効成分や、それらを肌に届けるデリバリー技術の開発が進んでいる。しかしシヤチハタは、成分や単体のデリバリー技術だけでなく、それらを含有する液体全体の設計に着目。同じ濃度の有効成分であっても、液体の構造の違いによって肌への浸透量や影響力に差が生じるという研究データに基づき、液体全体を高解像度で設計する独自の開発思想「LETLOGIC(レトロジック:Liquid×Experience×Transcending×LOGIC)」を掲げる。
第1弾では化粧水、クリーム、洗顔、クレンジングの4アイテムを2027年4月に自社EC、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといったECチャネルで展開する。価格は8000~1万2000円のプレミアムスキンケアとなる。ブランド名など詳細は27年2月に明らかにする予定だ。
新規事業開発部新規事業開発1課の永田友莉子課長は、「化粧品に求められる一つ一つの性能を深く追求し、肌に関わる満足をより深め、一人一人の満足につなげる高解像度ケアを提案する」と意気込みを語った。
説明会では、研究開発部の旭野欣也担当部長が今回取り組む化粧品開発の技術知見の例として、同社の主力製品「ゾルスタンプ台」「おててポン」「ボルトライン」に採用している技術について紹介した。
シヤチハタは、新規事業の推進に向け、24年7月に事業創出本部を新設。同本部全体として、30年までに売上高55億円、営業利益11億円、営業利益率20%を目指す計画で、化粧品事業はその中核と位置付けている。
























