カネボウ化粧品のグローバルメイクアップブランド「KATE(ケイト)」は7月8日、歌舞伎とのコラボレーションによるグローバルプロモーション「KABUKE 型破りであれ。」を始動した。新施策の発表会には、広告に起用した歌舞伎俳優の尾上右近が登場。KATEが強みとする「陰影メイク」と歌舞伎を結び付け、日本発の美意識とメイクの表現の可能性を世界へ発信する考えを示した。


歌舞伎俳優の尾上右近

今回の施策には、好調なブランドをさらに成長させる狙いがある。KATEの売上高は過去最高を更新し続けており、足元も国内、海外ともに2桁伸長。海外の伸びが国内を上回っている。岩田有弘ブランドマネジャーは、グローバルプロモーションに加え、複数のSNSを通じて顧客との接点が広がったこと、「リップモンスター」をはじめ一過性ではなく、継続的に支持される商品が増えたことを成長の要因に挙げた。一方、今後の課題については、「NO MORE RULES.」というブランドの思想や、日本の美意識をさらに浸透させる必要があると語った。

岩田有弘ブランドマネジャー

その中核を担うのが、影に美しさを見いだす日本の美意識から生まれた「陰影メイク」である。光と影を操って顔に立体感を生み、外見だけでなく、内面にある意志や自信まで引き出す。既成概念にとらわれないKATEの「NO MORE RULES.」と、常識に縛られず自らの意志を貫く歌舞伎の「かぶく」の精神を重ねた。東アジアを中心に展開してきた海外事業では、今後ASEANでの拡大を図る。

商品には、歌舞伎の「隈取り」に使われる青から着想した「青をひとさじ、影に忍ばせる」という発想を落とし込んだ。王道の赤ではなく、悪役などを表す青に着目したところにもKATEらしさが表れている。7月25日には、青みを帯びた影色で自然な立体感と透明感を演出する「リアルシェードスティック」(全1色・3.3グラム・1650円 編集部調べ)と、「スムースフィットプレストパウダー」全2色(全2色・5グラム・1760円 同)を発売した。

新商品には、あえて歌舞伎とのコラボレーションパッケージを採用していない。岩田ブランドマネジャーは「一過性の話題で終わらせたくない」と述べ、陰影メイクを代表する定番商品として長く育てる考えを示した。右近も「何度もしつこいくらいに自分を貫くことで、ようやく認識してもらえる」と語った。伝統との融合を話題づくりで終わらせず、ブランドと商品の持続的な成長につなげる。

日本発のメイク文化をアジアに発信する取り組みは、継続性が求められる

月刊『国際商業』2026年09月号掲載