資生堂の2026年12月期第1四半期(1〜3月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.6%増の2319億5800万円、コア営業利益57.9%増の130億2900万円、営業利益71.2%増の123億3300万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が127.1%増の83億7100万円と大幅な増益を達成した。日中関係の影響やインバウンド需要の変調が重荷となる中、売上高は為替影響を除く実質ベースで減収となったものの、利益面では構造改革の効果が顕在化し、コスト削減と収益性改善が進んだ。
地域別では、日本事業はローカルで「SHISEIDO」「エリクシール」「アネッサ」など主力ブランドが2桁成長したものの、中国人を始めとするインバウンド需要の落ち込みが影響し、売上高が4.0%減(実質3.6%減)の712億1800万円だった。中国・トラベルリテール事業はプレステージ市場回復の動きが見られる一方、本土の流通再編や「アネッサ」などがキャンペーン時期のずれが生じた影響を受け、売上高は4.5%増(同1.4%減)の783億2600万円となった。
米州事業の売上高は8.7%増(同5.1%増)の295億6400万円とプラスに転じ、構造改革の進展により通期の黒字化へ向けた改善が進んだ。欧州事業は、前年のSHISEIDOやフレグランスの新商品の初期出荷の影響を受け、売上高は3.1%増(同9.9%減)の325億4700万円。アジアパシフィック事業は台湾を含むすべての国と地域がプラス成長を遂げ、売上高が5.6%増(同1.1%減)の180億2600万円だった。
利益成長の背景には、2025年から進めてきた構造改革の寄与が大きい。人件費や、組織織の最適化やオフィス統合などにより間接費の削減、サプライチェーンの効率化などにより、通期で250億円超のコスト削減効果を見込む。第1四半期時点でもブランドやSKUの選択と集中、工場生産ラインの効率化、業務委託費用の削減などを推進し約75億円の効果が発現しており、収益体質の改善が進んでいる。
一方で、依然として外部環境は不透明であり、日中関係の長期化によるインバウンド需要の下振れや、中東情勢の緊迫化による原材料費・物流費の上昇リスクがある。こうした地政学リスクを踏まえつつ、リソース配分の最適化や価格戦略の見直しなど機動的な対応を実行する。これらの実現により、通期業績は売上高が前年比2.1%増の9900億円、コア営業利益55.0%増の690億円、営業利益590億円、親会社の所有者に帰属する当期利益420億円の達成を目指す。




















